内向型の逆襲

念のため言っておきますが、ブログ名がとてつもなくダサいことは認識していますよ

【映画レビュー】君の膵臓をたべたい

ネタバレがあるので、映画を見終わった方のみご覧ください。

 

 

この映画の肝はガムを渡す少年の存在だと思う。

クラスの「雑魚キャラ」扱いされている地味で内向的な少年「僕」。

その僕を唯一名前で呼んでくれたガムを渡してくれる友達。

多くは語られないが、この設定があとから生きてくる。

 

「彼女は男を見る目がないから」と桜良に心配されていた恭子が、きちんと「いい男」を結婚相手に選ぶほどに成長を遂げた。

 

そもそも恭子が桜良のことを好きになったきっかけは、恭子が中学時代雑魚キャラ扱いされていた中で、桜良だけが話しかけてくれたからだ。

 

恭子が結婚相手に選んだ男は、やっぱり咲良と同じ優しさを持つ人間だった。

キミがいなくなっても、やっぱり同じキミを求めるんだね。グッとくる。

 

演出も見事だった。

恭子はどんな男と結婚したのだろうか?視聴者にはわからない。

クライマックスに向けて、徐々に明かされていく。

 

「え、どうやら結婚相手は僕のことを知っているようだぞ」

「まさか、あの委員長じゃないだろうな」

観ているこちらには、そんな不安さえよぎる。

 

そんな不安を全て払拭する「ガム食べる」のシーン。

水戸黄門のラストシーンに匹敵する安堵感とカタルシスがある。

 

近いうちにもう一回、話を知った状態で冷静にみるつもりだ。

多分また同じ状態になるとは思うけど・・・

 

キャストも良かった。

浜辺美波さんの名前は知っていたが、目にするのはこの映画が初めて。人気があるということ以外先入観は何もない。無駄な先入観がない状態で見たので感情移入できた。

 

今後も、基本的には役者さんの私生活には興味を持たない方針だ。SNSなども絶対に見ない。「今日は表参道でおいしいパンケーキを食べました」「これがわたしのすっぴんです。ご照覧あれ」とかやられたら全ての芸術作品が台無しになるからだ。彼女がそうでないことを願うのみだ。

 

北川景子さんはもちろん、小栗旬さん、上地雄輔さん、若手の北村匠海さん、大友花恋さん、矢本悠馬さん、みんなにガムをプレゼントしたい。桜良のお母さんも良かった。

 

いわゆる「陽キャ」が一人もいなかったのがこの映画に没入できた最大の理由だ。

「僕は君のことが好きだ~~」みたいな興醒めの絶叫シーンもないし、終始淡々と話が進む。テーマが図書館というのも安心して最後まで観ることのできた理由の一つだ。

 

ぜひ原作の小説を読んでみたい。アニメもあるのでそちらも観たい。

 

「どうせ若者向けのアレだろ?」

そんな偏見を持っているおじさん(これまでの僕だが・・・)にこそ見てほしい。もしまだならAmazonプライムで観れますのでぜひ。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ガム食べる?

 

※2度目で確認したところ実際のセリフは「ガム、いる?」でした