「モテおじさんになるための5つの秘訣」
Youtubeにはそんな動画があふれているが、この映画を観ればそんな動画を見る必要はなくなるはずだ。
これから超高齢化社会を迎える全世界に向けて「イケおじ」を量産させるために、ハリウッドが全力を挙げて作ったのがこの『マイ・インターン』だ。かっこいいおじさんになるためのバイブルだと言っても過言ではない。
この映画に涙を拭うためのハンカチは必要ないが、おそらくこの映画を見た全ての男性は明日からハンカチを持ち歩くだろう。
どこの国にもジェネレーションギャップというものが存在するが、それをネガティブなものと捉えずに、お互いを見つめ直すために必要なものとして扱っているのがこの映画の素晴らしいところ。もちろんそのギャップをユーモアたっぷりに描いて笑いを取ることも忘れていない。
専業主夫だったり、育メンだったり、やり手の女社長だったり、古い考え方のママ友だったり、今の世相を反映した内容なのでおじさんだけでなく、老若男女幅広い世代に刺さる内容になっている。中だるみもなく、飽きずに最後まで楽しむことができた。
誰と観ても必ず「いい映画だったね」と語り合うことのできる、素晴らしい映画だ。
昭和vs平成
団塊vsゆとり
様々なジェネレーションギャップが日本にも存在する。互いの揚げ足を取る言説が目につくが、それぞれの良さを取り入れれば世の中はもっと良くなるのでは?そう思わせてくれる。
お互いが頑ななままだと、双方が「老害」「若害」という異質な存在にしかならない。
頑固であり続けるということはつまり、双方が損をし続けるということだ。
アン・ハサウェイの美しさは今さら語る必要はないが、この映画ではデニーロがいい。老害とは程遠い美しい振る舞いで観る者を魅了する。
この映画の若者たちはデニーロおじさんのクールなところをきちんと認め、自分の生活に取り入れている。もちろんデニーロも若者を頭ごなしに否定するわけではなく、受容している。
若者のスタイルに迎合することなく、自分のスタンスを貫く。自分の価値観を押し付けず、優雅に振る舞う。威厳と優しさの両立。そんなおじさんが実にかっこいい。
年を取ることにネガティブな感情を持つことが圧倒的に多いが、こんなおじさんなら年を取るのも悪くないと素直に思えた。
この映画を見終わった後「マルハラ」などという新種の病に踊らされることが実にくだらないことだと身に染みる。
デニーロほどのかっこいいおじさんにはなれないが、そのために努力しようと決意した。筋トレや自己研鑽もいいが、手取り早くデニーロに近づくにはまずはハンカチだ。タンスの奥に眠っているハンカチを引っ張り出してきて、全て洗濯機にかけようと思う。
最後まで見ていただきありがとうございました。
ちなみにアン・ハサウェイの出演している映画を観るのはこれが3本目だった。
これまで『ダークナイトライジング』と『レ・ミゼラブル』の2本しか観てなかったのは意外。もっとたくさん見ているような気がするのは彼女の存在感が強いからだろう。
デニーロは10本以上あって、もはや書き出す気力が起こらない。
映画マニアでない自分ですら10本以上あるということは、デニーロ出演作品には当たりが多いということなのだろう。