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ずっと遊ぼうと思っていたNieR Repricant(以下レプリカント)をクリアしました。
レプリカントをもっと遊びたい。
そしてNieR Automataをもう一度きっちりと遊びたい。
この世界にもっと浸っていたい。
それが今の正直な気持ちです。
今から2年ほど前、NieR Automataをクリアして、その感想を書き記していました。
今改めて読みなおしてみましたが、今と全く同じ感情が綴られていて笑いました。
2年前の自分がすでに書いているので何も書くことがない。(頑張って違うことを書きます)
何の因果か、先日配信されていたNieR Automata6周年記念の番組を視聴して、ヨコオタロウさんの生の声を聞くことができました。
「声がめちゃくちゃかっこいい」という超ミーハーな感想が第一印象です(笑)
話を聞くにつれて、なるほど相当の曲者(面白くてとんがった人)だというのが伝わってきました。でもクリエイターはこれでいいんです。それが支持されているわけですから。
私のような凡人は世間に忖度しなければ生きる糧を得られませんが、それをしなくていいのは優秀なクリエイターに許された特権です。忖度しなかったからこそ(手加減くらいはしてると思いますが・・・)、ヨコオタロウの名が世界に轟いているわけですから。
鬱展開が得意と言われているヨコオタロウさんですが、レプリカントを遊んでみて僕の中ではキャラクターに感情移入させるプロという評価が確定しました
物語や世界観に魅力があるのは言わずもがなですが、「白の書」というよくわからないモノを最終的には好きにさせてしまうキャラ作りは見事と言う他ありません。
わずか35時間程度、物語を触っただけのプレイなので深い考察はありませんが、忖度なしの正直度100%の感想です。私の個人的解釈でよろしければぜひ最後までお読みください。
A 個人的な感想
1 クリアまでの時間とやり込み具合
・クリア時間とゲームのボリューム
2周目(Bエンド)クリアまで約35時間
※全部のエンディングを見るには40~50時間かかるらしい。
・やり込み度
Bエンドまでクリア(イージーモード)
サブクエはスルー
NieRシリーズは周回を繰り返すことで、物語を深掘りする作りになっています。
1周だと何もわからないので2周目まで遊びました。
ここから先の物語は未プレイですが、サブスクではなく購入してじっくり遊ぶつもりです。
・没入度 MAX
退屈さを感じる瞬間がなかったわけではありませんが、物語への没入度が高い時間が多かった。リメイク版での飽きさせないための配慮が随所に見られ、心地よさを感じました。
2 ストレスポイント
どんなゲームにも必ず不満点はあります。
個人的にストレスを感じた点を挙げます。
・序盤は完全にお使いゲーム
お使いをして生活費を稼いでいるという主人公の設定上、仕方のないことなのですが、序盤ではお使いをこなして物語を進めることになります。物語に動きが出てくるまで少しの退屈さを覚えますが、ここを乗り越えられるかでこのゲームへの没頭度が変わってくると思います。2010年に発売されたゲームなのでそれは仕方ない。
・ファストトラベルがない
オープンワールドではないのですが、同じ場所へ何度も移動を繰り返すゲーム。そのゲーム性の中でファストトラベルがないのはやっぱり不便。せめてセーブポイントからセーブポイントくらいへのワープが欲しかった。
ただ、ワープが実装されてないことへの理由は、相棒のシロが語ってくれています。納得。
・ロード時間が頻繁に発生
移動はシームレスではなく、エリア切り替え時に待ち時間が発生します。
PS4+外付けSSDの私の環境で、エリア切り替え時の待ち時間が7~8秒ほど。通常のPS4だともっとかかります。
私は許容範囲内ですが、爆速ロードに慣れている人にとってはしんどいかもしれません。
・NPCに話しかける時のカーソルが合わせづらい
話しかけられる合図として、オレンジ色に変わるのですが、なかなかオレンジに切り替わってくれない。
・突如挿入されるサウンドノベル
アクションRPGしか遊びたくない、遊べない人にとっては、このテキストを読んでいく時間は苦痛に感じるかもしれません。
ヨコオタロウの描く世界はそういう変化球が飛んでくるモノだと理解できれば、苦ではなくなります。爽快感とは無縁のプレイになるので、頭が冴えていて、集中力の高い時間帯にプレイすることをお勧めします。(私は寝落ちしました・・・)
解答部分はランダム生成なので、該当する箇所をきっちり読む必要があります。
読解力の低下は自分の人生(ゲーム体験)のクオリティを下げる。
ノベルパートの挿入は、それを伝える目的があるのかもしれません。
・物語が難解
僕は丁寧でわかりやすい解説動画を見つけて補完することができましたが、ゲーム単独で全てを理解するのはほぼ無理ではないでしょうか。
これはレプリカント(ニーアシリーズ全体)の長所でもあり、何度も遊んで理解を深めるゲームの特徴でもあるので、そういうものだと割り切った方が幸せです。
受け身で遊ぶと何も得られないので、人を選ぶ要素であることは確かです。
・崖の村、ハシゴが見つからない問題
見つけるまでは苦労した。「はしご探しゲー」となったのは良い思い出。
・イノシシ、足速すぎ問題
猪突猛進が過ぎる。ある意味ラスボス。
10回以上ゲームオーバーになりました。
3 快楽ポイント
どんなゲームも快楽がないと続けられません。
個人的快楽ポイントを紹介します
・音楽と世界観の完全な融合
相乗効果のレベルが尋常でなく、それぞれがお互いの良さを限界レベルまで引き出す。
いわゆるバトルっぽい曲が流れ戦闘をする昔ながらのやり方もテンションが上がって良いが、このゲームでは常に物悲しいBGMが流れていて、なんとも言えない感情が戦闘につきまとう。
ボーカル付きの曲を聴きながらダンジョンを歩き回るという普通ではない体験が、気がつけば普通になっているのがこのゲームの恐ろしいところ。
びっくりするほど馴染みます。
・オートバトルが超快適
メニューを開かずにボタンを押すだけで瞬時に切り替えられるオートバトル。
面倒な雑魚戦を、スタイリッシュバトルに変えてくれます。
それを第三者として眺めるのが気持ちいい。
ニーアのような超大作を何十時間も遊ぶと、戦闘が面倒に感じる時間が必ず訪れます。
そういう時はオートに切り替えてやりすごし、美味しいボス戦だけ手動で戦う。そんなズルも可能。
プレイヤー側の都合や戦略に寄り添った配慮が快適で、何周も遊ぶゲーム性にマッチしている。
強制戦闘はゲームを嫌いになる要素なので、このオートバトルがあることで、メンタルに負荷をかけずに物語を進められる。
・アクションが派手で爽快
オートでやり過ごすのも手だが、きっちり自分でバトルしても気持ちいい。
ボタンを押した時の反応が早いので手応えを感じやすく、快楽物質が出やすい。
片手剣、両手剣、槍とそれぞれのモーションが用意されていて、見ていて飽きない。
魔法も赤と黒の色使いが神秘的で、闇属性の魔法感が漂っている。
さりげなくオートバトルに切り替えて、自分がやっている感を出すこともできる。
・ダッシュが速い
スタミナ等を気にせず、無制限に走れるダッシュが気持ちいい。それにアラレ走りで追ってくるカイネがキュート。そして浮いているエミールがシュール。
・シロとの何気ないやりとり
生真面目なニーアと堅物のシロ、2人の何気ないやりとりが小さな笑いを生む。
何度も何度も繰り返されることで、最後に大きな感動になって返ってくる。
・何が飛び出すかわからないダンジョン
歩いていると急に横スクロールに切り替わったり、見下ろし画面に切り替わったりと忙しい。
砂の神殿ではゼルダやマリオへのオマージュがあったり、洋館ではバイオハザードやFFやへのオマージュもあります。昔懐かしの「倉庫番」的な謎解きもあります。
一瞬プレイヤーを混乱をさせますが、楽しめる難易度に設定されています。
「そういうのはドラクエやFFでやってください」
王道を行かないそんな姿勢が大好きです。
・遊べば遊ぶほど深みを増す物語
1周目は片側からの視点からしか描かれていないのですが、2周目で双方の視点が提示され、断片的だった物語の全貌が見えてきます。
その両方の主張や思いが全て共感できるものなので、なんとも言えない哀しみが生まれるのですが、安易な感動に逃げることはなく、余韻の残る哀しい結末に終始している。
「これってどういうこと?」ってなることが多いですが、だからこそ考察したくなる。
ハマった人は、ゲームのプレイ時間と同じくらいニーアの世界のことを考えることになるでしょう。
悪を断罪するのは簡単だが、そんなことをしても何も得られない。
繰り返し、繰り返し、繰り返し、また同じことを繰り返す・・・
ゲームからはいろんなことを教わります。
B ゲームの大まかな紹介
1 ゲームのストーリーと特徴
遠い約束。千年の嘘。
『NieR Replicant ver.1.22474487139...』は、2010年4月に発売された『NieR Replicant』をベースとしたバージョンアップ作品です。2017年2月発売の『NieR:Automata』の世界が形成されることとなった始まりの物語が描かれます。
主人公は辺境の村に住む心優しい少年。不治の病「黒文病」にかかってしまった妹「ヨナ」を救うため、人の言葉を話す謎の書物「白の書」とともに、一握の希望である「封印されし言葉」を探す旅に出かけます。
※オフィシャルサイトより抜粋
2 キャラクターの魅力
哀しみを抱えているが心優しくてまっすぐな主人公。
無駄に陽キャだったり、闇を抱えていなかったりしないので感情移入しやすい。
喋る主人公に感情移入できたのは初めてかも。
主人公のすべての行動の動機付けになっている彼の妹ヨナ。
ちょっとやりすぎな感もあるが純粋に助けたくなる。
相棒キャラのシロ
ヒロイン枠のカイネ
弟枠?のエミール
ネタバレになるので多くを語れないが、全員が魅力的で誰も嫌いにならない。
その他にも
砂漠の王子
武器屋の兄弟
洋館の執事
灯台のおばあさん
記憶に残る人々が多く登場する。
わずか35時間のプレイでこれだけ思い出せるのは、2周以上遊んで記憶に刻まれた証拠。どんなに魅力的でも忘れられたら意味がないからね。
3 ヨコオタロウさんの主要作品の簡単な紹介
2003 ドラッグオンドラグーン
2005 ドラッグオンドラグーン2
2013 ドラッグオンドラグーン3
非常にややこしいですが、物語は同じで主人公が違います
ヨコオさんが描きたかったのが少年キャラのレプリカント
海外向けにおじさんキャラを主役にしたのがゲシュタルト
※ゲシュタルトはリメイクされていません
2017 ニーアオートマタ
レプリカントの後のお話
同じ世界ではあるが、続いているわけではないので、レプリカント未プレイでも全然遊べる。私はオートマタ→レプリカントという典型的なニワカの流れデス。
2021 ニーア レプリカントver.1.22474487139
今作(2010年のリメイク)
C ゲームとしての完成度の評価
1 操作性とUI
オリジナルのレプリカントを遊んでいないので比較はできないが、操作性もUIも相当洗練されています。
入力してからのレスポンスも良く、メニュー画面もわかりやすい。
物語を堪能するゲームだとは思いますが、アクションが不快だったらここまで面白さを感じられないはず。アクションが楽しいという大前提の上に、本来は面倒な何度も周回するという要素が成り立っています。
何が素晴らしいかって、アクションが苦手な人もきっちりクリアできて、爽快感も感じられるバランスに調整されているところです。
魔法の切り替えが少し面倒ですが、許容範囲。
2 映像とサウンド
音楽に関しては申し分ない完璧な出来。2010年に発売されたサントラを聴きながら執筆していますが、13年前の音源でも相当完成されています。
リメイクにあたって録り直しされているので、さらに良くなっているのでしょう。
映像に関してはリメイクされた2021年に求められるクオリティをきっちりと満たしていると感じました。「4K画質にしてあの絶景をもう一度」という声もあると思いますが、開発費が高騰するだけで得るものは少ないでしょう。
スマホのカメラと同様で、これ以上の進化は一部の目が肥えたゲーマー以外には必要ないというのが個人的見解です。
3 パフォーマンス
残念ながらロード時間は長いです。
PS5やゲーミングPCで遊んでいる人には関係ないと思いますが、PS4をノーマルのHDDで遊んでいる人には相当の待ち時間が生じているはずです。
SSDを入れると改善されるので、もし待ち時間が気になっていて、PS5の購入予定がないならSSDの導入もありです。セール時期なら5000円くらいで購入できます。
換装と言ってもUSB端子に差し込むだけなので、敷居は低いです。
PS4が現役なら絶対に導入すべき、劇的進化に驚きます。
D 概要とオススメできる人
1 やりこみ要素とボリューム
とりあえずクリアするだけなら15時間ほど。
さらに15時間で2周めを遊んでひととおりの物語を体験。
さらに残りの15時間で残りのエンディングを回収。
合計で45時間、そんな流れです。
サブクエをコンプすればもっと遊べます。
2 オススメできる人
・ニーアオートマタ既プレイ
・実はアクションが苦手で楽をしたい
・最低でも2周、遊ぶ覚悟がある
・深い話が好きで、考察する時間がある
・最低限の文章を理解する読解力がある
・妹がいる、もしくは妹が欲しかった
・口は悪いが、優しい女性に魅力を感じる
・王道以外のゲームにも耐性がある
・炎上ゲーム量産の現状にうんざりしている
3 ゲームの概要
NieR Repricant ver.1.22474487139
発売日 2021年4月22日
パッケージ版 / ダウンロード版 8580円
メーカー スクウェア・エニックス
開発 トイロジック
プラットフォーム PS4 / XboxOne / Steam
ジャンル RPG
対象年齢
CERO:D(17歳以上対象)
必要な容量 28.4GB
E 最後に
オリジナル版の発売は2010年。
そんな昔にこんな恐ろしくとんがったゲームかつ心を動かされる美しくも儚い物語があったのか。当時それを遊んでいた人たちが本当に羨ましい。
型破りだからこそ、極上の体験ができる。
わずか35時間程度のプレイでそんなことを感じました。
サブスクでのプレイなので、期限が切れた今日以降は遊べません。
2023年の9月19日に追加されたばかりなので、おそらく1年近くは遊べるはずです。もしPS4やPS5をお持ちでPS+エクストラ以上に加入の方はぜひダウンロードして遊んでみてください。
トロフィーを確認したところ、Bエンドまでのクリア率は25%以下。サブスクに追加されたことで、クリア率はもっと下がるでしょうね。序盤だけ遊んで、「面白くなかった」と判断する人も増えるでしょう。それはサブスクの宿命でもあります。
確かに序盤はしんどいですが、そこを我慢しても遊ぶ価値はあると思います。
人を選ぶ作品だということになりますが、人を選ばない作品はありません。
今は積みゲーが多すぎて買えませんが、オートマタとレプリカントは必ず購入して遊び尽くしたいですね。その価値があるゲームだということが確定しました。
スイッチ版の発売に向けて動いているはずなので、PSを持ってない方はそれまで待つのもありかもしれません。
素晴らしいのはSpotifyなどの音楽のサブスクでサントラが聴けるということ。
ゲームを遊ぶ予定がない人もぜひこのサントラを聴いてほしい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
はたしてレプリカントのスイッチリメイクは発売されるのか?