とある人と映画トレインスポッティングの話になったんですよ。
「トレインスポッティングってスラングらしいね」みたいな事を僕が言ったら、返答までちょっと間がありました。
「もしかしてスラングの意味がわからない?」
「・・・そう」
スラングの話をしようと思ったらスラングという単語の意味を知らなかった。
「なんでもかんでもRIPつければ追悼になると思ってる人多すぎるよね」
「??」
RIPも知らなかった。
ここまでくるともう笑えない話です。さすがにそれは知っておいた方がいい。
「愛猫家」もアイビョー?それ何?だったし、「ダンサブル」の意味を知らなかった時は衝撃でした。踊れなくてもいいから、意味だけは知っておいてほしかった。
スラングもRIPも愛猫家もダンサブルも知らなくてもフツーに生きていけるけど、知っておいた方が良いと僕は思います。なぜならそれが文化というものだから。文化的な生活を営みたいならそれなりの言葉を知っておく必要がある。当然のことです。
会話のスタートラインに立てない悲しさを感じたし、全力でシャッターを下ろされたような感覚を覚えました。もう何も話せないよね。
「インストール?何それ?」
「あ、アプリ入れるやつね。そう言ってよ!」
至るところでこんなことが日々繰り返されているのでしょう。
知っていて使わないのと、知らないから理解できないのとでは雲泥の差があります。
■語彙力なんかいらねえよと豪語する人達へ
その人も過去にその単語に接しているはずです。でも多分それをスルーしてきているんですね。意味がわからないまま放置している。だから身についてない。
本気で本を読んでないし、本気でゲームをしてきていないし、本気で映画を見ていない。ただ何となくコンテンツを消費してきたのだと推測します。絶対にそのどれかの中にそういう言葉が出てきているはずなんですよ。
語彙が増えるかどうかに頭の良し悪しは全く関係なくて、その単語の意味がわからないという事実を自分の中でどう折り合いをつけるか、大切なのはそれだけです。
わからなければ愚直に調べる。知ったかぶりをしない。放置をしない。それだけで語彙力は伸びます。
それをしなければ、やばい・かわいい・面白いで一生を過ごすことになります。
小学生に難しい言葉で話しかける人はいませんよね。なぜならそれを相手が理解する確率が低いからです。語彙力がない人に対しては、それと同じことをせざるを得ません。
自分の単語力がないせいで、相手に会話のレベルを無意識に下げられている。
これはかなり悲しい事ですよ。本人が気づいてないだけで、必ずこういうことが起こっています。語彙力(理解力)がないというのは本人が思っている以上にダメージがあるのです。
語彙力は免許証やパスポートみたいなもので、それがないと見えない世界、行けない世界があるのも確かです。
もちろん誰にでもわかりやすく物事を説明する技術も必要ですが、それとは別に知っておいた方がいい単語があるのも事実です。ここはバランスです。
僕もそれが身にしみてわかっているので、会話で単語がわからなかったらその場で意味を聞きます。本・漫画・アニメ・映画・ゲームなどで知らない単語があったら後で必ず徹底的に調べます。お金を払って辞書のアプリを買い、iPhoneとiPadに入れています。広告もないし、通信費もかからないし、快適です。
語彙がないことで会話のレベルを下げられること、芸術や文化を理解できないことに比べれば辞書のアプリなんて安い出費です。
長くなったので続きはまた次回。