前回の記事では「語彙力重要だから勉強しよう」みたいなことを小難しく解説しました。読み返してみると我ながら偉そうで申し訳ない気持ちになりましたが、これは本当に大切なことだと思っています。
今回はその続き。語彙を増やすために必要なことの僕なりの分析です。
前回の記事では世界中の全ての言葉を知っているかのような書きっぷりでしたが、僕も最近知った単語がたくさんあります。(ネットスラングは除外しますね)
謀る(たばかる)
・だまそうとして、策略を練る。
・策略で相手を騙す。
推参(すいさん)
・自分からおしかけて訪問すること。
パッと思い出せるのはこの2つですね。今まで知りませんでした。
謀るは漫画「鬼滅の刃20巻」で柱の1人悲鳴嶋さんが使います。
若いのにこんな言葉を操れるなんて、さすが柱の中でもトップクラスの実力者だけのことはありますね。
推参はゲーム「ドラクエ11」でグレイグ将軍が使います。
マジメでカタブツ、硬派で英雄。愛すべきキャラなのですが、言葉遣いが仰々しいおじさんです。
馬に乗ったまま人を飛び越えておいて「グレイグ推参!」って、かっこつけすぎだろと思いますが、グレイグらしくていいのかなとも思います。
使っても失笑されるだけだと思うし、僕が使うことは一生ないですね。
最近まつもと泉先生のきまぐれオレンジロードを読み返しているのですが、この漫画で「優柔不断」という言葉を知りました。今から30年以上前のことです。
その他にも当時の少年ジャンプから多くの言葉を学んでいるはずです。今の鬼滅の刃みたいに難しい言葉がたくさん出てくる漫画はありませんでしたが、それでもかなり語彙力アップの助けになったはずです。
当時の自分よりも10歳~20歳くらいはなれた漫画家のお兄さんたちに言葉を教わる感じでしょうか。その節は本当にありがとうございました。
最近呪術廻戦というジャンプ連載のアニメを見始めたのですが、これもけっこう難しい単語が出てくるので勉強になります。全てのセリフを脳内で正しい漢字に変換できているかどうかの確信はありませんね。
新しい単語を知るというのは新しい世界を知るということ。
それも1つの娯楽なので、やっぱり楽しいです。
■アウトプットで記憶定着
大学時代の英語の先生が厳しい人でした。英語担当の教授が竹刀を持ち歩く理由はわかりませんが、90年代前半はまだそんな時代でした。
「とにかく単語を覚えろ。単語がわからなかったら何も始まらないぞ」
確かにそのとおりなんですよね。英語はもちろんですが日本語も同じです。
その時必死に覚えた英単語の意味は忘れましたが、単語が全てという教えは残っています。
それ以来「語彙」というものが僕の中で重要なテーマになっていて、それがここまで言葉にこだわる理由だと思います。
そもそも語彙はどうやって増えるのか。
それは日本語も英語も同じで、歳を重ねれば自動的に増えていくものではありません。日本にもアメリカにも「面白い」と「かわいい」しか言えないおばさんがいるし、「マジ」と「すげー」しか言えないおじさんが存在します。
生活するのに困らない程度の日常会話レベルの語彙力には誰もが達しますが、そこから先はちょっとした勉強が必要です。単語の意味がわからなかったら調べる。そして試しに使ってみる。それだけです。
「この表現いいな」と思いながらアニメを鑑賞するのと、ただ流し見するのでは記憶に定着する割合が全然ちがいます。アンテナを立てればそれだけ多くの情報が入ってきます。
そしてその情報を元にこちらで噛み砕いて発信することで、その発言(言葉)に責任が生じます。そうするともっと言葉に気を配るようになる。それを繰り返す過程で語彙が増えます。
アウトプットすることで記憶に定着するというのは真実です。
新しい言葉が入ってきたら積極的に使ってみる。
書いたり人に伝えたりするが理想ですが、口に出して発音してみるだけでも全然違います。
昨年の今頃はほとんど誰も知らなかった「パンデミック」や「クラスター」という単語もいつのまにかスラスラ使えるようになってますよね。それと同じです。
なんとなく使っているうちに意味がわかってくるものですよ。
■使えば語彙は増えるし、使わなければ永遠にそのまま
語彙を増やしたかったら、ジャンプコミックスを読んで、ドラクエをする。
それで十分だと僕は思います。ただし本気で言葉を追いかけること。
アニメ、映画、本、全て同じです。
鍛える部位を意識すれば筋トレの効果が上がるのと同じで、目的を持って文化と対峙すれば必ず言葉を吸収できます。
そして覚えた単語を積極的に使う。必要なのはそれだけです。
覚えたばかりの単語も10年前から知っていたような顔をして使えば良いのです。
魑魅魍魎が跳梁跋扈する阿鼻叫喚の地獄画図。
よくわからなくてもこんな感じで使ってみればいいんですよ。
無知の知という言葉があるように、語彙が少ないことは恥ずかしいことではありません。
「つーかうちらまじやばいよね、てか語彙力ww」
こっちの方がよっぽど恥ずかしいよ。
語彙力がないことを自ら肯定したら、脳は「語彙力を増やさなくていい」という指令を出し続けます。だから無理矢理でも新しい言葉を使うべき。間違っても大丈夫。ほとんどの人は優しく教えてくれますよ。
知らない単語があって当然。それが自分のスタートラインであり100%なんだから、それを少しずつでも増やしていけばいいだけの話です。1日1つの新しい単語を使っていけば3年後には1000個分の語彙力となります。そんなに難しいことじゃないんですよ。
それは必ず財産となって、あなたを高みに引き上げてくれます。
ゲームの攻略でも、Youtubeの原稿でも、会社のプレゼンや文章作成でも、上司との会話でも、顧客との電話対応でも、「説明能力」が全てです。
日本語を雑に扱うということはつまり、説明能力のレベルを下げるということです。
曖昧な言葉を投げかけて相手の解釈に全てを委ねることは危険だし、相手にストレスを与えることです。
「テキトーに塩胡椒しといて」
「おいおい、それはかけすぎだよ!」
それなら最初から塩胡椒ひとふりと言ってくれ。人に投げる前に、きっちり説明してほしい。こんなやりとりで消耗したくないのです。
高みに引き上げるはちょっと大げさかもしれませんが、言葉を大切にしていればそれに見合った成果を必ず得ることができます。日々の業務も円滑になります。パートナーともうまくいきます。
長くなってしまいましたが、最後まで読んでくれてありがとうございました。