内向型の逆襲

念のため言っておきますが、ブログ名がとてつもなくダサいことは認識していますよ

体調の悪い時に機動戦士ガンダムを見てはいけない

「何か新しい番組追加されてないかな~」と何気なくAmazon Prime Videoをのぞいてみたら、強烈なのがありました。

 

機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 激突 ルウム会戦

機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 誕生 赤い彗星

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■重厚すぎる3時間

まずは二話、トータル3時間。軽く流し見しました。僕はガンダム関連は最低でも5回以上は見るので一回目はほんの入り口でしかありません。ストーリーを把握するだけ。

 

その軽く一回、主に食事をしながら見ただけの感想ですが、相変わらずガンダムは作品としてのクオリティが高い。

 

あえて言おう、神であると

 

細かいところはまた改めて書き綴ろうと思いますが、簡単な感想を。

 

人類至上最悪と言われる宇宙戦争が起こるまでの話をかなり丁寧に描写している。1stガンダム放映時に設定としてあった話に肉付けしていく感じです。

 

この機動戦士ガンダムTHE ORIGINシリーズはスターウォーズでいうところのエピソード1・2・3にあたる存在。

スターウォーズではヤングアナキンがダースベーダーになるまでを描いているのに対して、少しタイプは違うがキャスバル少年が赤い彗星になるまでを描いている。

 

それが描かれているだけでもこちらとしては見所満載なのですがさすがガンダム。魂を揺さぶってきます。人の心の奥のリアルな感情、人の悲しさ、醜さ、おろかさ、そして勇ましさ。様々なキャラクターを通してそれが伝わってきます。

 

勧善懲悪のありふれたストーリーを1979年、昭和があと10年も残っている時点で完全に見切っていたガンダムと富野監督。

ガンダムの世界の根底にあるのは、人の本質の理解だと僕は思っています。

今回もそれが深まった気がします。

 

涙が流れるという作品ではないが、人間の心やエゴに対する製作者側の深い洞察力を感じました。そのモノづくりへの執着心に素直に感動しましたね。

 

銀河万丈ここにあり

やっぱりガンダムは声優さんがいいですね。

今回ナレーションを担当しているのは大塚明夫さん。

ガンダムでは0083のアナベルガトー。

他にはメタルギアソリッドのスネーク、ワンピースの黒ひげ、ブラックジャックなど。

彼の声が入るだけで作品が締まりますね。

 

30年以上も前の作品のさらに前の時代の話を作る最大のハードル、それは声優さんだと思います。

この30年の間にガンダムに関するだけでもかなりの声優さんが亡くなっている。

その中でほぼ主役のシャア、今回は脇役のアムロ、不良少年カイ・シデン役の池田さん、古谷さん、古川さん、みなさんがご健在なのは本当に喜ばしいこと。

特にシャアに関してはあの声以外はありえない。

 

そしてもう一人。

国民を鼓舞させる演説においてはあの男の右に出るものはいないと言われている、

 

ギレンザビ総統=銀河万丈さん

 

私生活ですぐに演説したがる人はめんどくさくて仕方ないけど、この人ならずっと聞いていたい。今回も鼓舞してくれてますよ、ジオン国民だけでなくわれわれも。

 

セリフも多いし、演説メインだから収録も大変だと思いますが、さすがとしか言いようがありません。

 

その中で個人的に好きなセリフが、

 

否(いな)!

 

演説の最中にときおり挟む、「否!」ここが最大の聞きどころ。彼以上に否という言葉がハマる声優さんもいないです。

ギレンあってのジオン、そしてガンダムですから。

30年後に同じ人が同じ役をやるのってすごくいい。それだけで単純に感動する。

今後も銀河さんには我々を鼓舞し続ける存在であって欲しい。

 

■人は変わらない

THE ORIGINではそれぞれのキャラの子供の頃から大人(少年)になるまでを描いているのですが、人の根本的資質は変わらないんだなと痛感します。

 

THE ORIGIN全体を通してランバラルとハモンさんは確実に株を上げた。あの人たちは本当に美しい。ドズル兄さんも愛らしい一面、人間臭さがあって、実にいい。

 

それに対してガルマ・ザビはどうか。人間的に成熟する機会はいくらでもあるのに彼の妙なプライドが邪魔して結局彼は成長の機会を毎回必ず逃す。なぜか?

「坊やだからさ」

そして1stであの結末を迎える。あの男にはあれで仕方ないかなと思えます。

 

シャア・アズナブル、幼い頃から賢明だった彼は終始、感情にコントロールされず、自制心を持って行動します。その彼がああなってしまうのですから、ララァという存在がいかに大きかったのかが改めてよくわかります。恋はシャアですら盲目にするのです。

 

セイラ・マス、涙なくして見れないシーンが多いセイラさんですが、彼女は本当に強い。悲しさを乗り越えた上での強さ。たくましく成長し続けている。

 

アムロ・レイ、相変わらず部屋は汚い。ジーンズ上下の79年スタイル。

 

カイ・シデン、軟弱者のルーツここにあり。ただ彼はのちの1stGUNDAMで爆発的に成長する時期があります。それは個人的にはガンダムの中で最も好きな話でもあります。

 

カツ・レツ・キッカだけでなく、マーカーやオムルのホワイトベースのマイナーなクルーまで出てくるとは思わなかった。

そういうところもファンの心理をよくわかっていますね。

 

このTHE ORIGINではそれぞれのキャラのルーツが丁寧に描かれています。

 

元々あった富野さんの設定に安彦さんが見事にアレンジを加えている。

 

人の想像力は無限大。

 

ここまで話を膨らませ、かつ辻褄も合わせていることに素直に感動しました。

見所いっぱいで早く2回目を見るのが楽しみです。

 

先日、頭痛がひどくて辛い時間帯があったのですが、やっぱりそういう時はガンダムを見たくならないんですよ。大好きなので続きを見たかったけど、体が拒否する。

 

ありえないほど重い話ですからね。精神を持っていかれる。

 

シリアスで深い作品ほど体調が良い時に見るべき。

そうしないと体が吸収できないと痛感しました。