2021年の1月のPSのフリープレイで入手。少しだけやってずっと積んでいましたが、ようやくクリア。評価どおりの良ゲーでした。良くも悪くも往年のキャッスルヴァニア。PS初期の名作「月下の夜想曲」に夢中になった層に向けて作られていることがよくわかる作風でした。
クリア時間はセーブデータの表記では、26時間12分。死んでやり直している時間はカウントされないので、体感は30時間ほど。全クリアまで遊んだ感想を語っていきます。
ゲームの概要
Bloodstained : Ritual of the Night
(ブラッドステインド:リチュアルオブザナイト)
発売日 2019年10月24日
パッケージ版 6028円
ダウンロード版 6028円
メーカー 505 Games
プラットフォーム Nintendo Switch / PS4 / Xbox / PC(Steam)
ジャンル 2D探索型アクション
対象年齢 CERO:C(12歳以上)
必要な容量 7.2GB(スイッチ版)19.49GB(PS4版、アップデートファイルを含む)
主要過去作の簡単な紹介とシリーズプレー履歴
2D横スクロールで探索をしながら、謎解きや育成をしていくアクションゲームのジャンルの総称です。
片方は「メトロイド」もう片方はキャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラシリーズの海外での呼び名)の「ヴァニア」その2つの作品を組み合わせた造語です。
キャッスルヴァニアの名作「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」。それまでのドラキュラシリーズはステージクリア型だったので、探索に重きをおいたこちらがヴァニアのルーツだと言われています。その「月下の夜想曲」の面白さを現代に甦らせることをコンセプトに作られたのが本作です。
五十嵐氏(IGA氏)の過去作の筆頭としてこの「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」が挙げられます。発売が1997年の3月20日。2000年になる前にはプレイしてクリアした記憶があります。同じ頃に、スーパーメトロイドもクリアしているので元々メトロイドヴァニア系のゲームにはまりやすい傾向があったのでしょう。
悪魔城シリーズはFCディスクシステム時代からけっこう遊んでいて、
・悪魔城ドラキュラ(1986)
・ドラキュラ2 呪いの封印(1987)
・悪魔城伝説(1989)
このFC/SFC時代のステージクリア型はひととおりクリアしています。
探索系の悪魔城シリーズは、
をクリアしたのみで、それ以降の作品は未プレイです。
余談ですが、五十嵐氏はコナミ時代に「ときめきメモリアル」のシナリオにも関与している人物です。ゴシックホラーとのギャップがすごい。
ゲームのストーリー
「BLOODSTAINED: RITUAL OF THE NIGHT」は18世紀の英国が舞台のゴシックホラー横スクロールアクションRPGだ。常軌を逸した「力」が…魔そのものがその城には蔓延る…そしてそのクリスタルには驚異的な魔力が秘められている。
主人公の名はミリアム、アルケミストの呪いをその身に受け、自分の体が徐々に結晶化していくという業を背負わされた孤児。自分自身を、そして全人類を救うため、ミリアムは城を舞台に戦う、諸悪の根源ジーベルを倒すために。
「IGAVANIA」(イガヴァニア)というジャンルを生み出した五十嵐孝司氏ならではの極上の物語を体験せよ。アイテムを集め作成、様々な用途の武器や装備、略奪品を解放し、無数の魔をそして待ち受ける獄烈のボスどもを倒せ!
PS STOREより引用
悪魔が出没する城から世界を救え!
ブラッドステインド:リチュアル・オブ・ザ・ナイトは、19世紀イギリスを舞台にしたゴシックホラーの探索型横スクロールアクションゲーム。超常現象によってが悪魔が城に召喚し、結晶の破片に途方もない魔法の力が注がれていることが判明した。
錬金術師によって結晶を体内に宿すの秘術をかけられた孤児ミリアムとしてプレイ。 人類を救うために、そして自分自身を救うために、ミリアムは城内で戦い、召喚者、ゲベルを倒さなければならない。数え切れないほどの手下や地獄のボスを倒すために、沢山の武器、装備品、戦利品を回収、製作、解放しよう!
Nintendo Storeから引用
ゲームの特徴
メトロイドヴァニアのヴァニア側を創った人の現時点での最新作です。
横スクロールの探索型アクションRPG。
Stainedはステンドグラスのステ(イ)ンド。Bloodstainedは染み渡った血、血の汚れ、沁みという意味です。Ritualの意味は、儀式、礼拝式、(儀式的)行事。日本語に訳せば「血まみれ:夜の儀式」というおどろおどろしい名前。
ゴシックホラーな世界を旅するという、悪魔城ドラキュラ(キャッスルヴァニア)の世界観をきっちり踏襲しています。
メトロイド側の最新作「メトロイド・ドレッド」との比較になりますが、あちらがアクション要素が強めで探索が弱めだったのに対して、こちらは探索と育成要素がかなり強めになっています。
メトロイドはアクションの腕のみでクリアする必要がありますが、こちらはレベル上げやシャードと呼ばれる魔法(戦技)を育成していくことで難易度を下げることが可能です。
僕もアクションの技術を磨くのではなく、最終的にはシャードでゴリ押ししました。
このゲームの快楽ポイント
どんなゲームも快楽がないと続けることができません。
個人的快楽ポイントを紹介します。
シャードが強い
自分の腕前に頼りがちのアクションゲームですが、このシャードという戦技で攻略が楽しくなります。個々のシャードの特性を理解する必要がありますが、強いものは本当に強いです
敵からのドロップ頼みなので、収集や強化は運要素。敵をたくさん狩ればそれだけ強いシャードが集まるのでマラソンのモチベーションになります。
ある意味、そのシャード集めと強化がこのゲームの肝です。
良かったところ
・「ぶっコロしておくれ~~」
聞くたびにテンションが上がる。ゲーム史上最高レベルのサブクエでした。
・ミリアムが可愛い
料理をしたときの「やったね」がキュート。
声は小清水亜美さんが担当。いい仕事されてますよ。
ドラクエ11sのマルティナも好きでしたが、ミリアムもすごくイメージに合ってました。
ちなみにアイテム屋の少女アンちゃんは鬼頭明里さんが担当。鬼滅の刃の禰豆子ボイスが堪能できます。
・BGMは相変わらず神レベル
脳内でずっと再生される名曲ばかりです。悪魔城テイストのメロディーが心地よい。
全クリアするとサウンドテストモードが解放されます。
神曲認定の「Gears of Fortune」が聴き放題。最高です。
そして巨獣区の音楽は完全にゴジラでした。
・豊富な探索要素
マップは十分すぎるほど広く、これぞメトロイドヴァニアの真髄という完璧な出来でした。
・アクセラレイター取得時のレースに熱くなれた
「オレより速い奴がいるとは・・・」という断末魔を残し消えていくシュールな忍者。かなり難しいけど、面白かったです。
・スイッチ・プレステ4or5・Xbox シリーズ・スマホ・タブレットでも遊べる
僕はPS4で遊びましたが、様々なゲーム機で遊べます。
現在はスマホでも遊べるらしい。かなりのアクションを求められるのでコントローラーは必須です。コンシューマー機バージョンと比べて完成度があまり高くないとの評判。
どのハードで遊ぶか迷ったら動作も安定しているPS4版を遊ぶのが吉。
・クラシックモードが熱い
2D探索型ではなく、2Dステージクリア型のミニゲームもプレイ可能。
もうこれは完全に初期の悪魔城ドラキュラ。音楽もそれっぽいし、ギミックも健在。操作性の難のある過去作を遊ぶくらいなら、これを遊んだほうが楽しいです。
悪かったところ
・面白くなるのに20時間かかる
アクセラレイターというアイテムを取得することで俊足になり、移動や資金調達がかなり快適になります。しかしこれを取れるのは最終盤。移動と金欠のストレスがなくなり、これから面白くなるのに、ゲームは終わりを迎えます。
トロコンや全アイテム取得を目指す人へのサービスなのかもしれませんが、クリアだけを目指す人にとっては遅すぎる様に感じました。20時間遊んで、これからようやく面白くなってきたのに、クリア直前というのは寂しすぎます。
・回復アイテム獲得の敷居が高すぎる
ポーション・ハイポーション・エクスポーション全ての値段が高いし、精製して作るのにも素材集めが面倒。所持数の制限もある。
ここの敷居を下げるとゲームの難易度が下がるのかもしれませんが、僕の場合、面倒さが上回ってしまいました。
物価が高く、全てのアイテムを躊躇することなく買えるようになるのは、最終盤に入ってから。全てが遅すぎる。
・ファストトラベルが不便
ワープポイントからワープポイントしかワープできず、気が向いた時にワープすることが出来ません。ドラクエでいうリレミトの役割を果たす、転送石もありますが、これは拠点に帰るのみ。これがメトロイドヴァニアだと分かっていても不便さを感じてしまいました。
・ロードが長い
ソウルライクほどではありませんが、ゆるい死にゲーです。
アクション下手な人はけっこう死にます。死んだら前回セーブまで完全やり直し。それだけでも厳しいのですが、かなりの待ち時間が生じます。一番最初にプレーした時はSSDを入れる前だったので、ロード時間が長すぎてそれで挫折しました。快適に遊ぶならSSDが必須です。
・武器やシャードが多すぎて把握できない
武器種が多く、使いこなせないままクリアを迎えてしまった武器(シャード)も少なくありません。悪魔城のようにムチだけで突き進むデザインは無理かもしれませんが、もう少しシンプルでも良かった気がします。
シャードや素材の収集要素はあっていいのですが、延々と同じ敵を狩り続けるという達成感のない作業の繰り返し。おまけに最大強化を目指すと、レベル9まで9段階もあります。やりこみ=複雑ではなくて、素材を共通にするとかもっとシンプルでわかりやすいのが個人的には良かった。
おまけに「スト2」みたいなコマンド技もある・・・そこまで複雑なアクションは個人的には求めてないです。
・ガードがない
ジャンプやスライディングでかわすのが不可能な攻撃もあるので、シャード以外でのガード要素が欲しかった。それをやるとヴァニアではなくなってしまうのですが・・・
・当たり判定が微妙な武器がある
叩いても叩いてもろうそくが割れないことが多々ありました。そこまでシビアにする必要ある?
・リアルにかわいい猫の敵がいる
にゃぼんという可愛い猫の敵。猫を飼っている人間にとって、倒すときの罪悪感は拭い去れないものでした。パピーという犬も同じです。
向いている人
・メトロイドヴァニア好き
・悪魔城シリーズに思い入れがある人
・レトロな2Dアクションが好き
・死にゲーへの耐性がある
・格ゲーが上手(コマンド入力が得意)
向いていない人
・アクション苦手
・作業を繰り返すのが嫌い
・シンプルなゲームが好き
今後のアップデートや次回作に望むこと
発売から2年以上経過していますが、時々アップデートが追加されます。ボスラッシュモードや斬月・ブラッドレスモードなど、新しい遊びも追加されています。長く楽しみたいひとには最高のプレゼント。ユーザー思いの姿勢に共感できます。
メトロイドヴァニア好きな人だけが楽しめるゲームにするか、それとも万人が楽しめるゲームを作るか。そのどちらに舵を取るかはわかりませんが、できればもう少しシンプルにしてほしいというのが正直な気持ち。
長く遊べる=ドロップするまで敵を狩り続けるではないので、達成感を感じない要素はなるべく排除して、ゲームとして楽しい要素を増やして欲しい。
キックスターター(クラウドファンディング)として始まったゲームなので、出資者の欲求を満たす必要があってのこのゲームデザインは理解できます。その縛りが取れた次回作が、真骨頂。良い意味での裏切りを期待しています。
最後に
完成度は非常に高いのは確かですが、人を選ぶ作品です。
悪魔城シリーズやメトロイドヴァニアが好きな人なら絶対に遊ぶべき超名作ですが、誰もが気軽に遊べるかと言えば、敷居が高いと言わざるを得ない。
クラウドファンディングで資金を集めた性質上、そのメトロイドヴァニア好きのコアなファン層を満足させるのが、最低限の目標になっているが故の、遊びにくさやとっつきにくさが残念。ただ遊びにくいというのは最近の親切なゲームと比較してのことで、月下の夜想曲の頃よりは遊びやすくなっています。自分がぬるくなっているのでしょう。
続編開発中の話は聞いているし、そろそろ情報が解禁になる時期かなとも思っています。期待して待ちましょう。
とりあえずはクラシックモードのクリアを目指します。
2周目を遊ぶのは手元にある積みゲーを消化しきってからですね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
PS Plusの新プラン、エクストラにも追加されているので、加入された方は遊んでみてください。