内向型の逆襲

念のため言っておきますが、ブログ名がとてつもなくダサいことは認識していますよ

映画 カメラを止めるな!

久しぶりに映画館で映画を観てきました。田舎なので遅れて話題作が登場します。

ようやく「カメラを止めるな!」が上映開始になりました。

話題作にもかかわらず観客は10人程度、田舎なので話題作に誰もついてきていません。(その日は公開5日目、上映時間は夕方です)

 

話題作と言っても僕は情報を何も集めてないので、とりあえず面白い映画だということだけを何となく知っている程度でした。今思えば余計な情報を入れなくてよかった。

 

■前半は本当に途中で帰ろうかと思った

まさかカメラを止めるながゾンビ映画だとは思いませんでした。映画の宣伝ポスターを見ればそれはなんとなくわかりますが、それすら見ていない。

ちょっと前に観た映画がアイアムアヒーロー。僕は流血やゾンビものがはっきり言って苦手です。どんなにストーリーがよくても気持ち悪さがそれに勝ってしまうのです。

カメラを止めるな!も前半の30分はまさにそんな感じで、オノでゾンビを切り刻む。血まみれになるヒロイン。いつまでこのグロテスクなシーンが続くのだろうか、はやく終わってくれと念じながら観ていました。なんとか僕にとっての修行を終え、過去のシーンが始まります。

 

「この映画は2度始まる」のキャッチフレーズの意味がようやくわかりました。

 

そこから全てのタネが明かされていきます。

僕は前半のゾンビ映画部分を完全に信じきっていたので、安心しました。

 

あ、これは笑ってもいい映画なんだ

 

不安から解放されました。

 

■魅力的な登場人物

低予算で作られたため、有名な俳優が一切出演していません。それでも十分すぎるほど個性的なキャラクターを作り上げています。ここには本当に脱帽です。

 

主役の監督役、その奥さん、娘。

ゾンビを演じる人々。

襲われるヒロイン、それを助ける男。

テレビ局の人々、イケメンプロデューサー。

撮影の裏方の人々。

 

全てが本当に完璧だった。誰が欠けても成立しない。それぞれがいい味を出していた。

純粋に映画が好きな人々が集まってみんなで作りあげた。それが伝わってくる。

 

話題作にありがちな誰かを極端に持ち上げるシーンがない。スポンサーや芸能事務所への配慮が不要な作品だからこういうことが出来る。素晴らしい。

 

◯◯さんが出ているから観てみよう。そういう映画鑑賞の動機を否定はしない。僕だってスカーレットヨハンソンが出ているというだけで観た映画が何本もある。

音楽だってノエルギャラガーの新作だから安心して買えるのであって、新しい作品・アーティストはなかなか受け入れられないのが世の常。

そういう世の中でこのインディーズ臭が漂い、誰のブランドにも依存しない作品が大成功したことは本当に快挙だと思う。

 

実際それだけ面白い。作品が良ければ世の中も変わる。それを示した。

 

■シュールな笑い満載

まだ見ていない人もいるはずなので、あまり多くは語れませんが、とにかく笑いが細かい。それぞれのシーンが前半と密接にリンクして、シュールな笑いをいくつも生み出している。

声に出して笑うシーンがいくつかあり、ずっとニヤニヤしながら観てました。前半の拷問から解放されたあとなので余計に笑えます。スピード感もいいので中だるみもしない。オノで切り刻んでいた瞬間のあの苦痛が、同じ分量だけ笑いに変わる。その描き方が絶妙でしたね。

 

まさかゾンビ映画で笑える日が来るとは

 

■いいものはいつだってシンプル

僕の中で映画の上映時間が短ければ短いほど名作の可能性が上がるのですが、やっぱりこの映画も90分台。90分あれば十分面白いモノ創れるんですね。

音楽も同じで1曲3分で十分伝わる。ビートルズがなぜあれだけ受け入れられたか。曲が短いからですよ。

 

映画に関わる者ならだれしも超大作を創りたいはず。人生に1度くらいはロードオブザリング3部作くらいを作ってみたい。

それはなかなか出来ないので頭を使って面白いものを創った。それが伝わってきて嬉しくなりましたね。

 

書いていたらもう1回観たくなってきた。それくらい面白い映画です。

デート映画かと言われれば微妙ですが、この映画の面白さを語り合える相手ならば、上手くいきそうな気がする。そんな映画です。