前回の記事の続きです。
CDRを焼きたかっただけの人生
15万円も使ってPCを買って、ウェブ見て、歌詞をプリントアウトして、年賀状を作って終わりなのか?もちろんそんなことはなくて、自分を納得させた最大のPC購入目的は自分のバンドのCDRを作ることでした。
「デモテープとかデモMDとか配ってる場合じゃない。時代はCDRだ」
そのための投資なら15万円は安いだろうという判断です。
実はこの年の10月にAppleが初代iPodを発表していて、時代はMP3や音楽配信に舵を切り始めていたのですが・・・・少し遅れてますね。
当時はまだパソコンで音楽を録音するための機材も持ってなかったし、そのPCのスペックも音楽編集できるレベルじゃなかった。アナログの機材で録った音源をなんとかまとめて、CDRに焼いて作品として完成させたのが2002年。
確か4曲入りでDEMO2002というタイトル。歌詞を打ち込み、ジャケットをプリントアウト。当時はCDRに貼るCDサイズのラベルみたいなのも市販されていましたが、それを貼るとCDがプレイヤーに詰まるという噂があったので諦めて手書きで我慢。全て手作りのチープな「作品」をなんとか仕上げました。
当時はまだネットに公開するような場所もなかったので、CDRを焼いて終わりでしたが、もし公開してたら確実に痛すぎる「デジタルタトゥー」になっていたでしょう。自己完結できてよかった。
冗談抜きで、恥ずかしすぎて全身の鳥肌が立つクオリティーなので、アップできなかった時代に感謝してます。
PCを使った音楽作りはその先もコツコツ続けるのですが、その話は特にアップダウンもなく、地味なのでここでは書きません。
2002年 オンライン書店アマゾン発見
調べてみると2001年当時は、自宅でのネット接続の半数近くがダイヤルアップ。ネットで物を買うのも今ほど一般的じゃなかったし、アマゾンなんて普通の人は知らなかった。
アマゾンを知ったきっかけはよく覚えています。
どうしても欲しかった輸入盤のCDがありました。当時ネットCD販売の最大手だったHMVのサイトでそのCDを探しても見つからず、検索でたどり着いたのがアマゾンでした。まだ日本のアマゾンには、CDと本くらいしか売ってなかった時代です。
↑アマゾンでの最初の買い物。ここから全てが始まった。ちなみに名盤。
ジャンルがヘヴィーメタルになってますが、こういうミスは本当迷惑。ロックよりのポップパンクでかなり聴きやすいです。
「へ~、HMVにないCDも置いてるんだ。アマゾンすごいね」
それが最初に買った時の感想で、そこからはほぼアマゾンでCDを買う生活になりましたね。
2002年はCD4枚。
2003年はCD8枚と本2冊。
2004年はCD18枚、DVD2枚、本2冊、デジカメ+SDカード
ものすごい勢いでアマゾン漬けになってます。
好きなものをかなり安く買えるので、「これで通信費を相殺」と得意げになってました。ネットの恩恵を最大限享受していたのは間違いないです。個人が「ネットで稼ぐ」みたいな概念はまだ浸透してなかったので、あの頃一般の人はあまりガツガツしてなかったですね。
この頃はアマゾン内を物色するのがとにかく楽しかった。次第に扱う商品のジャンルが増えてきて、初利用から19年経った今では、CDのタブを探すのは至難の技だし、売れ筋以外の在庫も全然ない。時代は変わりました。
この頃は既に例のネガティブなネットの掲示板もありましたが、僕は見なかったので闇落ちせずに健全なネットライフを送っていました。
Youtubeはもちろんのこと、SNSもブログもなかったので、掲示板(BBS)さえ見なければ特に病むこともないという穏やかな時代。今より全然ゆるかったし、人に優しい。
アマゾンでネットショッピングを楽しんで、好きなバンドの情報を漁る。そしてプリントアウトした年賀状を送る。健全な時代だったなと思います。
今思えば、無理をして貧乏のどん底の時にPCを買って、音楽以外のことにも興味を持って、役に立つことも役に立たないことも含めて、いろいろ学習(遊び)してきたからこそ今の僕があるわけで、PCを買うのがあと5年遅れていたらと思うとぞっとします。
全然意識してなかったですけど、これ完全に音楽がダメだった時の保険ですね。
次回に続きます。