ネタバレありにつき、未プレイの方はご注意ください。
重苦しい空気に包まれたら聖地ラムダ。空からは悲しみの雨が降り注ぎます。
■ベロニカとセーニャの両親に真の親子の絆を見た
全然面影がないのでそうだろうなと思っていましたが、両親からセーニャとベロニカは実の子ではないと明かされます。
父
・・・聞いてください。勇者さま。
じつはベロニカとセーニャは、私たちの本当の娘ではないのです。
きっとベロニカもセーニャもそのことに気づいていたとは思いますが・・・。
本当の娘同然に大事にしてきたつもりです。
なのにこんな別れをする日が来ようとは・・・。
私が代わってあげられたならどんなによかったことでしょうか・・・。
母
十数年前・・・静寂の森の木の下で、ファナード長老がふたり並んで泣いている赤ん坊を見つけ拾ってきました。
長い間子供を授からなかった私たちはふたりの赤ん坊・・・ベロニカとセーニャを引きとり我が子として育ててきたのです。
長老はおっしゃいました。その子たちからは不思議なチカラを感じる。セニカさまの生まれ変わりに違いないと・・・。
でも私たちにはそんなこと関係なかった。
普通に幸せになってほしいと思いながらふたりを大切に育ててきたんです。
それなのにこんなことになってしまうなんて・・・。
かける言葉が見つかりません。
人間関係において、血のつながりはあまり重要ではないということを思い知らされます。
■セーニャの後悔と再出発
後の世も ひとつの葉に生まれよと契りし
いとおしき 片葉のきみよ
涙の玉と共に 命を散らさん
うつろう時に迷い 追えぬ時に苦しみ
もがく手が いかに 小さくとも
この願いひとつが 私のすべて
セーニャが奏でる悲しい旋律は、聖地ラムダに伝わるという悲しき恋の歌。
セーニャが心残りに思っていたことを回想シーンを交えて語り始めます。
セーニャ
私とお姉さまはきっと
芽吹く時も散る時も同じですよね？
ベロニカ
セーニャはいつもグズだからどうかしら。
・・・でもそうだといいわね。
セーニャ約束して・・・。
この先 あたしの身に 何かあっても
ひとりで生きていけるって。
セーニャ
・・・そんな約束できません。
お姉さまがいなくなってしまうなんて
私考えられませんわ。
ここまでが回想シーン。
私はずっと後悔していました・・・。
あの時約束していればお姉さまも安心して天に召されたのではないかと・・・。
お姉さまの言う通り私はグズだったんです。
言葉や呪文を覚えるのも 道を歩くのも、何もかもお姉さまより遅れていた・・・。
ですが まさかこんな時にまで先に行かれてしまうなんて・・・。
勇者さま。ごめんなさい。
少しだけ・・・ほんの少しだけあなたのとなりで泣かせてください・・・。
しばし泣いた後。
ごめんなさい。やっと心の迷いが晴れました。
お姉さまが助けてくれたこの命・・・。精一杯未来へつないでみせます。
そしてセーニャはある儀式を行います。
持っているナイフでバッサリと髪を切るのです。
もう涙は見せません。・・・さようなら。
この髪は決意の証しでもあり、手向けた髪の長さはベロニカへの愛情の深さでもあるのです。
妹の決意を見届けた姉の杖から光の玉が。
セーニャがそれを受け取ると空は晴れ、ベロニカの能力をセーニャが引き継ぎます。
賢者セーニャ誕生の瞬間です。
泣ける、ただひたすら泣ける。思い出しても泣けるし、書いてても泣けてくる。
このパートを考えたのもやはり堀井さんなのでしょうか。素晴らしすぎます。
それに加えて音楽、映像、声優さんの演技、全てが共鳴しプレイヤーの魂を浄化します。
この聖地ラムダでは全ての会話が価値のあるもの。ドラクエによる崇高なデトックスタイムを過ごさせてもらいました。感謝です。
いまだにゲームを否定する頭の固い人が多いですが、非常にもったいない。この体験ができないのですから。
その次の朝、宿屋に泊まっている勇者をセーニャが迎えにきます。
おはようございます。勇者さま。
もう陽が昇っておりますわ。
あんなことがあっても常に朝寝坊する勇者。ただものではありません。
ドラクエ11を起動するたびに毎回楽しみにしている前回のあらすじ。
ここの記述は素晴らしかった。
勇者は 雨が降りしきるテラスで
ひとり 竪琴を弾いているセーニャの姿を見つける。
セーニャは生前の姉との思い出を語り 涙を見せるも
自らの髪を断ち切って ベロニカに別れを告げる。
・・・ベロニカの思いは 妹 セーニャに受け継がれた。
