ゴールデンウィークにセール対象になっていた天穂のサクナヒメ。本格的に田植えが始まるこの時期にこそやっておきたい、稲作を感じたい。そんな想いで購入しました。
PS4版をクリアまで遊んだのでその感想を書きます。
ネタバレはありませんので、購入を迷っている方も安心してお読みください。
ゲームの概要
天穂のサクナヒメ
発売日 2020年11月12日
パッケージ版(BEST PRICE) 2980円
ダウンロード版 2980円
メーカー 株式会社マーベラス
開発 えーでるわいす
プラットフォーム Nintendo Switch / PS4
ジャンル アクション・シミュレーション
対象年齢 CERO:B(12歳以上)
必要な容量 6.4GB(Switch)/ 6.6GB(PS4)
ゲームのストーリー
稲を育てて強くなる和風アクションRPG登場!
美麗グラフィックで描かれる『天穂のサクナヒメ』は
「ヒノエ島」を舞台に、島を支配する鬼と闘う爽快なコンボアクションと、
日本古来の米づくりを深く再現したシミュレーション要素が融合した
ユニークな和風アクションRPGです。
・米づくり
日本伝統の米づくりをゲーム史上類を見ない深さで体験することができる。
田植、育成、刈り取りなどの工程を経て立派な米を育てよう。
・アクション
農具を武器として繰り出すさまざまな武技と伸縮自在の羽衣による
縦横無尽な移動を組み合わせた爽快な戦闘が楽しめる横スクロールアクション。
ニンテンドーストアから引用
やりこみ具合と評価
ゲームのボリューム(クリア時間) 約48時間
ストーリーのみで、やりこみ要素の天返宮やアブラムシくんはほとんどやってません。
やりこみ要素をもっと遊べばおそらく50~60時間は遊べるので、3000円という値段を考えるとコスパはめちゃくちゃ高いです。
やり込み度 クリアのみ
かかった年数 ゲーム内時間20年
総合探索度 136
稲の格(レベル) 58
PSのトロフィー達成率は57%
稲作は必要最低限に留めましたが、こだわれば無限にこだわったお米を作れます。
ちなみに戦闘難易度は低、稲作難易度は標準でプレイしました。
没入度 70%
楽しくてやっているというよりも、ミッションをこなしている感が強かった。そういう意味では没入できなかった。ストーリーは本当に素晴らしく、引き込まれました。アニメ化すればさらに知名度が上がると思います。
ゲームの特徴
1 質の良いコメを作って自身のステータスを上げる
2 探索ポイントで、草を刈ったり、鉱床を叩いたり、敵を倒したりして素材を集める
この2本でサクナを強化しながらお話を進めて行きます。
敵を倒した後の経験値などはなく、レベル上げは完全にコメ作りです。
メインコンテンツの稲作は異常とも言える作り込み。種もみの選別、田の耕し具合、肥料の選別、脱穀(だっこく)、籾摺り(もみすり)などの基本的なものから、縞葉枯病(しまはがれびょう)馬鹿苗病(ばかなえびょう)などの稲の病気への対策など管理することが無限にあり、稲作への知識もどんどん蓄積されていきます。
このゲームを極めるころには、どんな人もお米やコメ農家の方々への敬意が芽生えるはずです。僕は田んぼを見つけたら、水位などを注意深く見るようになりました。
このゲームの快楽ポイント
どんなゲームも快楽がないと続けることができません。個人的快楽ポイントを紹介します。
登場キャラが魅力的
序盤はわがまま放題です
サクナヒメを筆頭に個性的なキャラが多い。
いわゆるウザキャラがいないのもいい。メインとなる田右衛門、ミルテ、きんた、ゆい、かいまるの関係性が良い。タマ爺やココロワも好き。
キャラデザインが良く、敵キャラの造形もかなり高品質。不快な要素は皆無でした。スズメの動きだけ。
仲間との絆を描く王道展開もあり、普通に感動できます。天真爛漫なサクナヒメがとにかく魅力的で、主人公としてこれ以上ない存在感を発揮していました。
あと猫や犬を両方とも抱っこできるのがこのゲームの隠れた魅力。癒されました。
時間調整のため縁側で休むシーンがあるのですが、アップデートでかなりの数の絵を追加されたということを後で知りました。プレイヤーを飽きさせない努力に感謝です。
良かったところ
・ロード時間のストレスがゼロ
・サクナと仲間たちの成長物語が美しい
・米作りへの理解が深まる
・区切りをつけやすい
・BGMのレベルが高い
ロード時間の短いゲームは本当に快適です。
ストーリーの完成度が高く、ヘタな自己啓発書よりも気づきを与えてくれるセリフが多いです。特に皆で歌いながら田植えをする序盤のシーンはグッときました。
すぐ喧嘩する人々にイラつくという意見もあるみたいですが、物語なのでそれくらいあっても良いかと思いますね。
このゲームをやっているとお腹が空きます。特にゲーム内の「夕餉の時間」は炊きたてのご飯を食べたくなる。食べ過ぎ注意。
音楽の評判が良いので、デジタルサウンドトラック付きのバージョンを買いましたが、正解でしたね。いつでもかいまるたちとの思い出に浸れます。
悪かったところ、ストレスを感じたところ
・敵を倒す際に爽快感が得られない
敵をダウンさせた後の硬直(無敵)時間。あれが強烈なストレスでした。
ほぼ無双ゲームのような敵の沸き方なのでアクションの爽快感が売りですが、登鯉などの技で爽快感を感じるようになるのが終盤に入る頃で遅すぎる。序盤は慣れてないせいもあってストレスとの戦い。キャラの動きに関しては、最初から気持ちよくないとゲームが濫立する現代では厳しい。
・羽衣の操作が難しい
羽衣の存在が最後までストレスになりました。壁に張り付くのが難しく、諦めるレベルのダンジョンも多かったです。羽衣要素をなくして、2段ジャンプにした方が遊びやすかった。
・水泡のダンジョン
水泡をジャンプしながら渡り歩く。ギミックとしては面白いが少しでよかった。水のステージはトラウマ。
・時間の流れが早すぎる
ダンジョンの探索に脂が乗ってきたところで夜が来る。かなり効率よく時間の管理をしないと、思うようには進めない。急かされているみたいでストレスになりましたね。
・素材集めが大変
序盤では鉄鉱石が全然貯まらず苦労しました。武器の素材くらいはサクッと集めさせて欲しかった。気がついたら溜まっている素材は皆無で、明確な意思をもって集めないと集まらない。
・ボス戦で敵が無限に湧いてくる
ボスとの戦いに集中したい派です。1対1の戦いを邪魔しないでほしい。
アクションゲームなので仕方ないですが、ストレスを感じる要素が意外に多い。爽快感とストレスのバランスが取れていない印象です。湧いて来る敵の数を半減させて、その分強くした方が個人的には楽しめた。
これは超個人的なことですが、稲作とアクションの切り替えが上手にできなかった。マルチタスクが苦手なので、どちらかに没頭させてほしかった。
向いている人
・ノルマやルーティーンをこなすゲームが好きな人
・2Dのアクションゲームが好きな人
・癒し系アニメキャラが好きな人
・米作りに縁のある人
向いていない人
・作業感のあるゲームが嫌いな人
・アクションゲームが苦手な人
・シミュレーションゲームが嫌いな人
・アクションのみを期待している人
最後に
ウチはじいちゃんの時代から代々実家でコメを作っているのですが、自分が稲作について何も知らなかったことに驚かされました。食べるだけという意味ではぐうたら時代のサクナヒメと同じでしたね。
実際に米作りの段階やすべきことなどを理解しながらゲームを遊んだことで、お米というものへの愛着が湧いてきました。元々和食派なのでお米はずっと食べてきましたが、これからは別の気持ちでお米と向かい合えそうです。
羽衣移動が非常に難しく、スーパーメトロイドのグラップリングビームと同じくらいのストレスを感じました。この要素が個人的にはゲームの評価を下げました。
移動で難易度を上げるのは現代の風潮に合ってない気がしました。移動そのものが気持ちよかったメトロイドドレッドの完成度の高さを再確認できました。
毎日の団欒のシーンが好きで、会話が入るのを楽しみしながらプレーしていました。あのシーンをみると家族で暮らしていた頃を思い出して懐かしい気持ちにもなります。
ゲームには癒しの要素が大切だなと痛感しました。
蛇足ですが、ウチは田舎なのでサクナたちの「我が家」の環境音と同じ音がします。鳥の鳴き声も超リアルで、ゲームの音なのか外の音なのかわからなくなります。全て実録だと思いますが、クオリティは高いです。
少人数でこれだけ完成度の高いゲームを創り出したことには敬意しかありません。自分もがんばろうと力をもらいました。楽しいゲームをありがとうございました。