スプラ3を完全オフラインでクリアまでプレイ。ヒーローモードのクリア時間は、約25時間でした。
今回の記事は、ただのクリアレビューではなく、ソロプレイしかやらない人がスプラ3を買うのはありなのか?を徹底検証します。
ヒーローモードのクリアレビューですが、ステージ数以外の物語に関するネタバレはありませんので、安心して読み進めてください。
「マルチプレイはストレスが溜まるからやりたくない」
「スプラの世界観は好きだけど、煽られるんでしょう?」
よく聞く感想ですし、僕もそう思っていました。
オンライン対戦がとにかく苦手
オフラインのみで遊びたい
今回の記事はそんな人たちが持つであろう素朴な疑問に答えるために書きました。
4対4で地面にインクを塗りあい、塗った面積の多いチームが勝利という明快なルールのアクションシューティング。
スプラトゥーン2のゲーム紹介ページにはこう書いてある。
つまりスプラトゥーンとは8人で遊ぶゲーム。それは3でも変わりません。
本当に1人では遊べないのか?
ストレスの溜まるギスギスしたマルチを遊ぶしかないのか?
わき目も振らず、ソロモードだけを徹底的にやりこんで確認してみました。
結論から言うと、ソロプレイだけでも十分元が取れるだけのボリュームとやり込み要素があります。
つまりマルチを一切やらない人でも、買う価値は「あり」です。
ただし、かなり人を選ぶ要素があるのでそのあたりを解説していきます。
ちなみに「ヒーローモードの入り口の場所がわからない」とのことですが、ゲームを開始してすぐの場所の左にマンホールがあるのでそこを潜ると遊べます。
ここから左を向く
ここがそのマンホール。わかりづらい場所にあります。
ヒーローモードは甘いチュートリアルではなかった
ヒーローモードというソロモードがあるというのを知ったのは、発売直前のことです。それまでは、スプラ3は売れるだろうけど、マルチは嫌なので自分はスルーだなと思っていました。
ソロモードもあるがそれはチュートリアル。
そんな意見を聞いていたので、軽い心意気で臨みました。予想をはるかに裏切る超高難易度のステージが待ってました。
超スタイリッシュ渋谷系死にゲー
あえて大げさに表現すれば、そんな感じでしょうか。
ラスボスに関してはエルデンリングを超える難易度だったと思います。エルデンリング には難易度を下げる「チート要素」がいくつも用意されていますが、スプラ3では実力で乗り越えるしかない。
とにかく微妙な操作を要求されるので、2日がかりでラスボスを倒した時は、思わず声が出ましたよ。それくらいの難易度なので、アクションが苦手な人にはオススメできません。ソロプレイだけを楽しみたい人には、ある程度のアクションの素養や根気が必要です。
ヒーローモードクリアまでの時間とやりこみ具合
ゲームのボリューム(クリア時間)
約25時間でなんとかクリア。
オンラインモードは一切やらずにヒーローモードだけをやってこの時間。バンカラ街をうろうろした時間も含まれているので、実質24時間くらいではないでしょうか。
やり込み度
サイト1 10/10クリア
サイト2 8/8クリア +ボス
サイト3 5/7クリア
サイト4 7/12クリア +ボス
サイト5 4/13クリア
サイト6 3/12クリア +ボス
「これはクリア無理だわ」と諦めたステージがかなりあります。
難易度も高そうなので、裏ステージは未プレイです。
今後はクリアしてないステージを少しずつ消化していきます。
ヒーローそうびの強化具合はこんな感じ
没入度 MAX
高難易度アクションなので集中せざるを得ない。
特に後半は難しいステージが多く、1つのステージをクリアするとドッと疲れますが、それだけの達成感がありますね。
検証の結果
1 何時間くらい遊べるのか?
スプラトゥーンシリーズ、完全初見の自分でクリアまで約25時間。クリアしてないステージも3分の1ほど残っています。僕のようなアクションがあまり上手ではない場合、ヒーローモードだけで30~35時間は遊べるのではないでしょうか?
「このゲームをソロでしか遊ばないなんてもったいない」
そんな意見をよく耳にしますが、十分なボリュームだと感じました。
ポケモンアルセウスのクリアまでのプレイ時間がこれくらいだったので、同じくらいのボリュームだと言えますね。
2 ソロで遊んで本当に楽しいのか?
サイト1、サイト2あたりは操作を覚えるチュートリアル要素が多く「楽しい」と思える時間が多いですが、後半は「苦しい」「逃げ出したい」に変わってきます。
クリアした今は良い思い出であり、楽しかったと思えますが・・・険しい道のりでした。
マルチを遊ぶ人のためのチュートリアルのモードだと舐めてかかると地獄を見ます。アクションが苦手な人は間違いなくクリアできないであろう、任天堂ゲームとしてはかなり難しい部類の難易度に調整されています。
3 やり込み要素はあるのか?
違う種類のブキで挑戦することもできるし、クリア後の激ムズ裏ステージも用意されています。そして全てのステージのクリアタイムが記録されているので、タイムアタック要素もある。十分すぎるほどのやり込み要素があります。
そもそもフツーではクリアできないステージがいくつも用意されているので、それがすでにやり込み要素です。
4 ローカル通信での2人プレイについて
ヒーローモードは難しくてしんどい。逃げ出したい。
そんな人のために、ネットに繋がずにナワバリバトルを軽く楽しむための裏技があります。
プライベートマッチというローカル通信でのオフライン対戦マッチが用意されているので、スイッチを2台使えば2人だけの世界での塗り塗り合戦を楽しめます。
ただし、ソフトは人数分必要です。DL版の管理はいろいろと面倒なので2本目はパッケージ版を買うのがいいと思います。
他人に邪魔されることなく、奥さんやお子さんと2人で遊ぶならこれがいいかもしれません。
ただし、ウデマエランクなどは上がりませんので、ブキの強化などもできません。
これができたら八百長が横行するから仕方のない仕様ですね。
ロビーを出て左の建物に受付がありますよ。
5 ナワバトラーは遊べるのか?
スプラ3内の陣取りミニゲーム「ナワバトラー」も完全オフラインでは遊べません。
ブキの強化同様、ナワバトラーもランク4以上でないと解放されない仕様となっていて、オンラインで少しだけ対戦プレイを経験する必要があります。
こちらはプライベートマッチの受付の建物の裏手あたり、路地を入ったところに受付があります。
6 オフラインのみで、値段分の価値はあるのか?
25時間プレイした時点で概ね満足しているので、5000円(カタログチケットで購入)分の価値はあったと断言できます。
ただし、アクション要素がかなり強いので、苦手な人は買わないほうがいいと思います。
このゲームの快楽ポイント
どんなゲームも快楽がないと続けることができません。
個人的快楽ポイントを紹介します。
無意味な塗りが楽しい
ゲームの進行とは全く関係ないのですが、気がついたら地面を塗ってしまいます。
中毒性がありますね。
サイト1-05
日々の彩りに、素敵なモニュメントを
モアイ像にバケツでインクをかけるだけのステージですが楽しいです。
良かったところ
※主にヒーローモードを遊んでの感想です。
・キャラの操作感が完璧
アクションゲームは操作感が命です。スプラトゥーンでは、潜ったり、現れたり、跳んだり、塗ったり、撃ったりを繰り返すのですが、その全てがスムーズです。
銃を撃った時の音や、敵に当たった時の音も、気持ちいい。任天堂の音へのこだわりを感じます。インクの中を進む時の音はクセになります。
・ヒーローモードの序盤は楽しい
操作を覚えるために最適なステージが多く、いつの間にか体が操作を覚えています。エリア3に到達する頃には、いろいろな操作が身についていて、ナワバリバトルへの移行もスムーズになるよう設計されています。
・探索要素がある
ステージを自分で見つける必要があるので、これがちょっとした探索要素になっていて、発見した時は喜びを感じる。ステージ解放のために、やかんを銃で撃つ時の音も爽快。ステージクリアで集めた「イクラ」を消費して、行く手を阻む「ケバインク」を除去するのですが、ステージをクリアしないと先に進めない仕組みと、探索要素がうまい具合に調和している。
・ステージ名がユニーク
扉を開けた先で、真の上質に出会う
日々の彩りに、素敵なモニュメントを
くつろぎと、開放感。木漏れ日のプロムナード
何のこっちゃわからないステージ名に最初は戸惑いましたが、これがスプラのおもてなしなのだと理解しました。こういう要素は好きです。
・時折入る仲間のガイダンスが親切
ステージを進めていると、途中で仲間のガイダンスやアドバイスが入ります。敵の攻略に迷っていたり、行き先がわからなかったりすると、絶妙のタイミングで教えてくれます。
本当にわかりにくいところだけ登場するので、不快にならない。親切すぎないおもてなしです。
うまく敵をやり過ごしたり、隠しアイテムを見つけた時など、さりげなく褒めてくれるのもポイントが高い。
・ギミックが斬新
地面や壁を塗ってそこに潜るというのは他のアクションゲームにはない独特な要素。それを利用したギミックが斬新で楽しめた。潜ってインクを補充しながら、隠れて敵の背後から狙撃。病みつきになる快感があります。
アクションゲームってズルをする方法を探すゲームでもあるので、そのズルをする方法がたくさん用意されているのは楽しい。
・セーブデータお預かりに対応した
スプラ2までは対応していなかったみたいですがスプラ3からは対応しました。アルセウスも非対応でしが、このご時世セーブデータお預かりに対応しないソフトには不信感しかありません。
悪かったところ
・オフラインだとバカにされる
登場人物が露骨にオフラインをディスってきます。オンライン対戦がメインのゲームですが、強制はよくない・・・
・中ボスが総じて強い
合計3体の中ボスがいますが、それなりの技術の習得を要求されます。楽には勝たせてくれないので、発売日直後に買った345万人のうちかなりの数が泣きを見ることになるでしょう。
「お父さん、ボス倒して」という子供の切なる願いに対応できる父親でありたい。
・最終ステージが鬼畜仕様
ラスボスへ向かう道中が鬼。ステージが長くかなりの集中力を要す。ケバインクの位置に明確な悪意を感じます。もうこれは嫌がらせでしかない。
最後の上り坂は本当に辛くて、50回はやり直しましたね。
・ラスボスが強すぎる
普通のお父さんじゃまずクリアできない難易度。子供は号泣し、父親は怒り狂う。母親はそれをインスタグラムに投稿。楽しくゲームをするはずが、家庭が崩壊してしまった。そんな阿鼻叫喚の地獄絵図が見えます。
落ちる要素と、ザコ敵に狙撃される要素、ボスの的確なピンポイント爆撃。その3つを同時にケアするのは本当に骨が折れました。
大げさでもなんでもなく、本当にエルデンリングクラスの難しさ。
笑顔のまま遊べない難易度です。
ゲームの概要
遅くなりましたがゲームの概要を紹介して終わりにします。
発売日 2022年9月9日
パッケージ版 6578円
ダウンロード版 6500円
ニンテンドーカタログチケット引き換え対象(実質5000円)
メーカー 任天堂
開発 任天堂
プラットフォーム Nintendo Switch
ジャンル アクションシューティング
対象年齢 CERO:A(全年齢)
必要な容量 4.4GB
大自然で!大都会で!
さらに広がるナワバリバトル!
ヒトの姿に変身する不思議なイカたちによる、アクションシューティングがパワーアップして登場!
4対4のチームに分かれて、地面を塗った面積で勝敗を決める基本的なルールはそのままに、新たなブキやスペシャルウェポン、バトルアクションが追加。
オンラインでフレンドや見知らぬ人と対戦できることはもちろん、本体を持ち寄って仲間と顔を合わせての対戦も可能。
よりダイナミックになったナワバリバトルで、存分にインクを塗りたくれ!
任天堂ショップより引用
主要過去作の簡単な紹介
2017年7月21日 スプラトゥーン2(Switch)
登場からわずか7年で天下を取ったスプラトゥーン。任天堂の積み上げてきた「面白さ」の追求の集大成なのかもしれません。また新たなIPで我々を楽しませてくれることを期待してます。
さいごに
過去にこういう記事を書いています。
短気な人や他人に暴言を吐いたり、ネットで晒したりするような人は遊ばないほうがいい。そんな内容の記事です。今もこのスタンスであることに変わりはありません。
今のところ、野良でのマルチプレイを遊ぶ予定もありません。そんな人が1人くらいいてもいいんじゃないかなと思っています。実際のところ、ヒーローモードにやりがいを感じていてクリアするのに忙しいです・・・
マルチプレイをメインで遊んでいる人に散見される、「勝ったら神ゲー、負けたらクソゲー」みたいな価値観が自分には合わないですね。
ソロプレイ(ヒーローモード)のみを遊んでみて、スプラトゥーン3がわずか3日で345万本という前代未聞の売り上げを達成した理由が少しだけわかったような気がします。「楽しい」が根底にあります。
これは実際に自分がプレイしてみないとわからないこと。そういう意味では買ってプレイしたのは正解でした。
体験版の配信は予定されていませんので、無料プレイは現状不可能です。2022年の8月の終わりに前夜祭という形で期間限定体験版が配信されましたが、現在はプレイできません。購入するしか手段はありませんが、スプラ2では時々期間限定の体験版が出てましたので、今後も同じような期間限定の体験版で集客することはありそうですね。
懸念点として、マルチプレイには「メモリープレイヤー」という自分や他人のプレイを記憶できる機能があるのですが、これを悪用し誰かが晒し、晒され炎上する未来が明らかに見えています。
そんなことをするのは少数派だと思いますが、そんな人たちとは無縁でいたい。それが僕がマルチを遊ばない理由です。コンピューターと撃ち合っている分には絶対にさらされることはありませんからね。
人の虚栄心そのものは否定しませんが、気持ちのいいものではないです。
ウデマエを競ったり、ランクで上下関係を作ったり、「昭和の部活かよ」って思う。ウデマエ至上主義は本当にウンザリします。
ゲームって、失敗が許される世界なんですね。何度でもリセットしてやり直せるわけですから。下手な自分を笑うのが楽しいという一面もあるのですが、オンライン対戦はそれを許してくれない空気がある。顔が見えないからなおさらのこと。
自分の失敗が他人に記憶され、拡散されてしまう(可能性がある)。失敗を笑ってくれない・・・本当に怖いことです。繰り返しですが、そんなことをするのは少数派です。
スプラ3のステージ名から引用させてもらいますが、
豊かな心で、ミニマムに生きる
大切なことを教えられました。
この言葉を忘れず、今後も楽しくプレイしていきたいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
2000円もせずに買えるので、セールがあれば買っておくのがオススメ。