バッハ・ベートーベン・メンデルスゾーン
ジョンレノン・ボブマーリー・ジョーストラマー
彼らの曲を聴くときに、彼らがこの世にいないことは特に意識していません。音楽が人間の存在を凌駕した人々です。すぎやまこういち先生も仲間入りをしました。
「人はいつ死ぬのか、人々に忘れ去られた時だ」
そんな名言がありますが、そういう意味ではすぎやまこういち先生が人々から忘れ去られることは永遠にないでしょう。僕は今までと変わらずドラクエをプレイするし、これからもPCやiPhoneに入っているドラクエの曲を聴き続けるでしょう。
今回の記事を書くためにiTunesに入っているドラクエ音楽をかなり聴き込んだのですが、改めてドラクエでは「楽曲」に泣かされていることに気づきました。普段当たり前のように聞き流している曲があらためて「神曲」であることを痛感しました。
ドラクエ歴35年。僕みたいにゲーム好きの人間はドラクエを通じてすぎやま先生の楽曲に慣れ親しんでいるでしょうが、そうでない人がドラクエの曲を聞いていないのはあまりにももったいない。
「どうせゲームの曲だろ?」
35年前もそんな声はあったでしょう。ビデオゲームが大人の娯楽として市民権を得る前だったので、今以上に酷かったと思います。実際当時のすぎやま先生のインタビューを見ても、インタビュアー側が露骨にゲームを軽視していて不快になる場面もあります。
ですが、すぎやま先生はそんな「古い大人たち」を黙らせてきた。当時子供だった僕たちを鼓舞してきた。それが今もドラクエの音楽がゲームという垣根を超えて愛されている理由ではないでしょうか。
ドラクエを知らない大人たち、そしてドラクエ音楽を愛してやまない勇者や遊び人のみなさんへ。超個人的ドラクエの名曲ベスト30を選んでみました。
「あれが入ってない」「これが入ってない」もちろんあるでしょう。でもそれこそがドラクエの音楽が愛されている理由。僕のチョイスが皆さんの逆鱗に触れれば触れるほど、それはすぎやま先生の楽曲が皆さんの心の奥深くまで浸透している証拠です。
ただの個人的感想ですが、これからドラクエ曲デビューする人たちの参考になれば幸いです。
全作品からのベスト3
オリンピック入場でも使われ、5分で作ったと言われている、最も有名な「序曲」はドラクエにあって当たり前の空気のようなものなので、今回は外しております。
ドラクエの世界に収まらない屈指の名曲。
多分ドラクエやラーミアを知らない普通の人に聞かせてもこの曲は響く。哀しくも勇ましいメロディー。開始5秒で泣けます。
ファミコン版ですでに完成形なのも凄い。ピコピコ音で人を泣かせるって・・・
ドラクエは海外では日本ほど人気がないけど、せめてこの曲だけでも聞いてほしい。
2 栄光への戦い~生か死か~(DQ4通常戦)
これどう考えてもラスボス戦だろってほどかっこいい通常の戦闘曲。疾走感もあるし、中盤のたたみかけるような音程の移動が好き。後半戦の変拍子も神レベル。ずっと聞いていたいから戦闘を終わらせたくなくなる。
普段聴いているのはオーケストラ版ですが、ファミコン版がまたかっこいい。
DQビルダーズではボス戦のテーマに昇格してます。
ドラクエ好きな人に「ゾーマの曲歌って」と言えば90%の人が歌ってくれます。
曲の入りが神。僕の中でドラクエのラスボス戦といえばこれ。
メロディも立っていて、最後の最後まで無駄がない。
ファミコン版が超絶にかっこいいのよ。ラスボス曲なのに泣ける。
音色が多くなったSFC版よりかっこいいのがまた泣ける。
ドラクエ3のHD-2Dリメイクが楽しみ。
フィールド編
1 冒険の旅(DQ3)
フィールド曲は名曲しかないので迷いましたが、聞いた瞬間テンションが上がる度で選ぶとやっぱりこれ。ゲーム内では敵が出ると強制ストップがかかるので聖水(トヘロス)必須。
DQ11でのこの曲を使った演出にはしびれました。あれは泣くよ。
DQ1の時には急遽音楽担当に決まった経緯もありましたが、DQ2では開発初期から関わっているだけあって、すぎやま先生の本気度が伝わってきます。
オーケストラアレンジではメロディも追加され豪華になっています。
DQビルダーズ1でも効果的な使われ方をしていてテンション上がります。
世界一美しいアルペジオ。
まだ仲間がいなかったころのドラクエ。単独行ゆえの寂しさが見事に表現されています。
4 勇者は征く(DQ11)
勇者行進曲。あんなサラサラヘアーな主人公なのに、めちゃくちゃ勇ましい。開始10秒でアドレナリンが出てきます。
80歳を超えてから作ったっていうのもまた凄い。
DQ1の広野を行く(アレフガルド)に通じる寂しさを持つ曲。その中に勇敢さを感じられるメロディにただならぬ才能を感じます。後半のコード進行が美しいので、敵に出会いたくなければ立ち止まって聞き入るべし。
6 さすらいのテーマ(DQ6)
CDを持ってないので唯一聞き込めていないDQ6の曲ですが、この曲はドラクエビルダーズ2でお世話になりました。モンゾーラという初期の島でのテーマ曲。無料体験版でも聞けるのでスイッチやプレステをお持ちの方はぜひどうぞ。
エンディング編
1 そして伝説へ(DQ3)
名曲。開始20秒だけでも完成されているのが、さらにその先があるという奇跡。
タイトルもゲームの内容も全てが完璧。ドラクエのエンディングといえばこれ。
ドラクエを抜きにしても後世に伝えてほしい。多分100年後の人も聴いてると思う。
ありえないほどの名曲。終わり感もあるが、希望もある不思議なメロディー。
なぜ歌詞のない歌でこんなに泣けるのか、体がおかしくなっているとしか思えない。
スーパーの閉店間際の音楽もこれ使えばいいのにって思う。毎回泣くことになるけど。
もし僕に結婚する人生があるならこの曲を使いたい。
DQ5もそろそろスイッチやプレステで遊べるようにしてほしい。
お城編
1 王城(DQ2)
切なさと優雅さの絶妙なブレンド。
ロイヤルミルクティーでも飲もうかなって気分になりますね。
朝食にぴったり。高級ホテルでかかってても違和感ない。
朝のビュッフェでこの曲がかかっていたら、どんなホテルも5つ星。
やっぱり朝はコーヒー。身が引き締まります。
戦いが待ち受けている日の朝に最適。
まだ勇者が横を向けず「カニ移動」だった頃の曲です。
少し寝坊した朝にはこちら。優しく包み込んでくれます。
わずか1分の中にこれだけのドラマ作る技術はさすが。
ドラクエ3まではギリギリ昭和時代。間違いなく昭和後期を代表する名曲ですね。
普段は米食ですが、城の曲を聴くと無性にパンを食べたくなります。
街・村編
1 街の人々(DQ1)
DQの世界ではさまざまな街を歩きましたが、やはりこの曲が好き。
どれがいいとかじゃなくて単純にこの曲が好き。思い出補正が大きい。
街の曲は敵に邪魔されないのがいいですね。
2 にぎわいの街並み(DQ11)
思わず踊りたくなるような街の曲。
街のスケールが大きすぎて、探索に1時間以上費やしたデルカダールを思い出します。
3 対話(DQ8)
これぞドラクエの街の曲!楽しい気分にさせてくれます。
たしか初登場はヤンガスの故郷パルミドでしたよね。街の構造が複雑なので、迷った記憶があります。
ドラクエ10では港町レンドアと娯楽島ラッカランで聞けます。この流用は嬉しい。
ダンジョン編
1 洞窟に魔物の影が(DQ5)
基本的にドラクエのダンジョンの曲は不気味な曲が多いので嫌われる傾向がありますが、この曲は趣があります。好きなのはビアンカと一緒に旅したからかな。
2 ダンジョン(DQ3)
全てのドラクエ曲にはタイトルがありますが、これはそのまま「ダンジョン」です。完成度も非常に高い。不気味さはあるのですが、ずっと聴いていたい不思議な曲。
あの頃のダンジョン曲は口ずさめた。
3 恐怖の洞窟(DQ4)
曲の入りがかっこいい。少し切なさのあるダンジョン曲。
本来は無音のはずの「洞窟」に楽曲があるなんて豪華。
ホイミンと旅したな。
その他
1 LOVE SONG探して(DQ2)
カセットを差し込み、電源を入れて、ボタンを押すとこの曲が流れます。とにかくわくわくした。復活の呪文を入力するときの音楽。そしてペルポイの町。思い出しかありません。
DQビルダーズ2でも使われているので記憶にも新しい。
2 哀愁物語(DQ5)
THEテーマオブパパス。泣ける。
DQ10や11でも名場面では必ずこの曲で泣かせてきます。
今後の新作でもキラーチューンとして人々を泣かせ続けるでしょう。
3 ほこら(DQ3)
曲名もほこら。神秘的な曲です。
DQ3ではもちろん。DQ11でもとこしえの神殿など良い場所で使われていました。
4 この想いを(DQ8)
DQ8で泣ける場面はたいていこれが流れています。
DQ10でも数々の感動を演出する場面で使われていて絶句します。
初出のDQ7でのシーンは忘れていて、最近プレイしたDQ10での印象が強いです。
「ぼくさえ勇気を出せばお父さんから教えを請う機会はいくらでもあったのに・・・」
ラグアス王子のセリフ。メギストリスでは泣かせてもらいました。この曲をここに使う英断を下した人に感謝。
6 ピラミッド(DQ3)
どう聞いてもピラミッドにしか聞こえない。すぎやま先生の引き出しの多さに脱帽。
もし僕の人生でピラミッドを訪れることがあるならこの曲を聴いていたい。
DQビルダーズ2でも使われてました。
SE編
1 レベルアップ
誰もが愛するわずか5秒の名曲。
2 呪い
キングオブトラウマ音。
3 宿屋
聴いただけで体力が回復する神曲。
流れがスムーズになるように街の曲と同じキーで作られているというインタビューを聞いたときは驚きました。そこまでやるんですね。
短い曲に詰め込める情報量は少ないのですが、このSEと呼ばれている「音」にもすぎやま先生のセンスが光る。
人が気持ちよくなる音とその逆を完璧に理解しているからこそ作れる曲たちです。
簡単なドラクエ歴
ワタクシの簡単なドラクエ歴を書いておきます。
空白期間もありますが、ドラクエをずっとプレイしてきた人間であり、すぎやま先生の曲を聴き続けてきた人間であることが伝われば幸いです。
リアルタイムでプレイしたドラクエ
・DQ1
・DQ2
・DQ3(発売日には買えず)
※1&2・3はスーファミ版リメイクもプレイ
・DQ4(受験が終わるまで我慢)
※PS版リメイクもプレイ
※iOSアプリ版も購入
・DQ5
※PS2版リメイクもプレイ
※iOSアプリ版も購入
・DQ7
※iOSアプリ版も購入
遅れてプレイしたドラクエ
・DQ6(数年後にクリア)
※iOSアプリ版も購入
・DQ10(最近プレイ開始。現在絶賛プレイ中)
・DQ11(2020年にクリア)
未プレイのドラクエ
・DQ9(スイッチorプレステでリメイク希望)
所有しているアルバム
・交響組曲「ドラゴンクエストI・II」ロンドンフィル盤
・交響組曲「ドラゴンクエストⅢ」そして伝説へ… ロンドンフィル盤
・交響組曲「ドラゴンクエスト IV」導かれし者たち ロンドンフィル盤
・交響組曲「ドラゴンクエスト Ⅴ」 天空の花嫁 ロンドンフィル盤
・交響組曲 ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち [Disc 1] 都響盤
・交響組曲 ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち [Disc 2] 都響盤
・交響組曲 ドラゴンクエスト VIII 空と海と大地と呪われし姫君 [Disc 1] 都響盤
・交響組曲 ドラゴンクエスト X 目覚めし五つの種族 都響盤
・交響組曲 ドラゴンクエスト XI 過ぎ去りし時を求めて [Disc 1] 都響盤
※専門家ではないので、楽団による演奏の違いはわかりません。当時手に入るものを手に入れただけです。
さいごに
人それぞれドラクエの楽曲には思い入れがあるはず。好きなナンバリングタイトルと遊んだ時の年齢によっても違ってくるでしょう。僕個人としてもランキングなんて無意味なのはわかってますが、節目として整理しておきたかった。
Youtubeで検索すれば聴けますが、CMが入るし音質もいまいち。じっくり聴きたい人はCDの購入をおすすめします。
※すぎやま先生の楽曲はAppleMusicやSpotifyやアマゾンミュージックなどのストリーミングサービスに対応していないので、検索しても出てきません。
CDはたくさん種類があってどれを買えばいいか迷いますが、ナンバリングの作品別に分けられているCDよりも、城やフィールドなどのシーン別に分けられたボックスセットが一番聴きやすいと思います。
特に城のCDは名曲揃いなので、貴方の朝を素晴らしいものにしてくれるはずです。
演奏することに興味ある人は、楽譜のついている都響盤がいいかもしれません。
帯に全曲楽譜付きの文字が見えます
ゲームをやりながらすぎやんの音楽に浸りたい方は、様々な楽曲が網羅されているDQ10やDQB2をお勧めします。こちらは無料体験版もありますので敷居は低いかと思われます。
長い記事を最後まで読んでくれてありがとうございました。
ドラクエの曲を聴く人が1人でも増えれば嬉しいです。