内向型の逆襲

念のため言っておきますが、ブログ名がとてつもなくダサいことは認識していますよ

鬼滅の刃が売れれば売れるほど、書店の現場が消耗していくという話

先日、鬼滅の刃22巻が発売されました。

鬼滅の刃 22 (ジャンプコミックスDIGITAL)

鬼滅の刃 22 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 聞いた話ですが、書店員さんは朝から晩までてんてこ舞いだったそうです。

 

その理由は時代遅れの電話連絡。

予約をした全員の100人以上にいちいち入荷連絡の電話を入れているそうなのです。店側の負担は相当なものだと思われます。

 

素朴な疑問が湧きました。

「それって電話連絡じゃないとダメなの?」

「メールの方が効率良くない?」

「鬼滅なら電話しなくてもお客さんが勝手に来るでしょう」

 

一時の買い占め転売は収まったとはいえ、まだまだ超人気コンテンツ。鬼滅の刃はほっときゃ売れる状態です。

発売日に入荷連絡する必要ありますか?

客側もわざわざ電話で連絡されたいですか?

 

僕個人としては電話連絡は非常時の連絡手段だという認識なので、新刊入荷での電話連絡は勘弁して欲しいですね。

もし書店で予約するなら電話連絡しなくていいと伝えます。

 

■電話連絡は利益を生まず、究極の無駄を生む

この場合、電話連絡そのものは一切のお金を産んでおらず、ただただ従業員とお客に負荷だけをかけるシステムです。

 

とにかく電話連絡は効率が悪いんですよ。

 

店 電話をかけるが出ない(それが普通。皆何かをしていて電話に出れない)

客 着信を見てかけなおす

店 名前と注文した本を聞きなおし、伝票で確認(お客はその間待たされる)

 

これを100回も繰り返すのです。

電話を100回かけるだけでも大変なのに、電話をかけたことでさらに仕事が増えている。こういう大物コンテンツの発売日は担当者は他の仕事が全くできないそうです。

 

 

鬼滅の刃電話連絡担当係として他の仕事を全部免除されるならそれでもいいが、そんなことはありません。どんなケースでも他の仕事も並行してやらなければいけない。そりゃあ疲れるし、病みますよ。

 

外部の僕が疑問を感じるくらいだから、当事者たちはもっと深刻だと思います。

 

誰も得をしないし、誰もが面倒くさい。

そんなことをこのご時世続けていることに衝撃を受けました。「仕方ない」がまかりとおている職場でいろいろ大変だとは思いますが、絶対に改善した方がいいですよ。

 

一冊484円のジャンプコミックス。100回電話をかけると経費は1000円。二冊万引きされたのと同じです。

100冊売って2冊必ず万引きされるシステムを多大な労働力を費やしながらやっている計算になります。こんな無駄なことありますか?

 

■電話連絡の有料化。レジ袋有料化ができたならできるはず

鬼滅の刃23巻入荷しました】というタイトルのメールを一斉送信すれば済む仕事です。

お客側はわざわざメールを開くまでもなく、このタイトルを見れば一瞬で済みます。電話に出る必要もないし、かけなおす必要もない。

そもそも、そんなことしなくてもお店のツイッターに入荷の報告上がりますよね。

 

電話じゃないとダメだという人もいると思いますが、それはいまの時代完全に過剰なサービスです。昭和なら電話しか手段がなかったからそれでよかったけど今は違います。

昭和と同じやり方を今もやってる場合は、それは「もしかすると超時代遅れの無駄な方法では?」と考え直した方がいいです。

 

「全ての電話連絡は無駄である」とまで言い切るつもりはありませんが、ほとんどの場合代替手段があるし、そちらの方が喜ばれます。

 

鬼滅の刃23巻予約票

□ 入荷連絡不要

□ 入荷連絡はメール

□ 入荷連絡は電話(一回50円)

 

こんな感じで、予約票にチェックボックスを用意してどれかにチェックしてもらえばいい。これならよっぽどのことがない限り不要かメール連絡にするでしょう。

ほとんどの書店が新刊入荷はお店のツイッターなどで随時更新しているので若者はほとんど入荷連絡不要にチェックを入れてくれます。

 

書店側からの連絡は基本メール連絡可能な方のみ。電話連絡は有料(一回50円くらいに設定)これで良くないですか?こういう時代ですよ。

 

お客さんにとっても従業員にとっても時間は有限です。

極論ですが、お店への電話での問い合わせも全て有料にすべきだと僕は思っています。転売ヤーの電話攻撃に現場が疲弊しているという現状もあるし、電話での伝達はあらゆる面で非効率です。

 

新刊が入荷したら電話連絡する。

その当たり前を変えないと、いつまで経っても楽になりませんよ。

 

レジ袋も有料化したし、ハンコもなくなろうとしている。国勢調査ですら電子化した。

無駄を省く。これが時代の流れです。

 

■勇気を出して楽をしよう

今回書いたことは書店だけでなく全ての業界やビジネスにあてはまることだと思います。無駄を削っていかないと誰も幸せにはなれません。働くっていうのは体力の限界に挑むということではないですから。

 

コロナの影響でどの業界も給料は上がらない状況が続くと思います。

それだったらせめて仕事を減らすことに尽力してはどうでしょうか。

 

無駄な仕事が減る=給料が上がるということです。

 

大事なことなのでもう一度言いますね。

 

無駄な仕事が減る=給料が上がるということです。

 

誰かが考えたことをそのままやるのも仕事。

それで皆が食えた時代が確かにあった。それはありがたいことだったかもしれません。

ただ今は明らかにそれが通用する時代じゃない。

 

どうすれば仕事を効率化できるか、もっと言えばいかに楽をするか。

それを追求するのが仕事です。

 

今までのやり方で突き進めば、従業員はどんどん疲弊し体力のない者から脱落していきます。

 

鬼滅の刃の新刊入荷の連絡に100本電話かけることは仕事ではない。ただの拷問です。

その拷問から解放されることを考えましょう。本気で楽をすることを考えましょう。

楽をすることは罪なことじゃない。

 

「がんばろう」とか「やる気」とかそういうもので乗り切れるほど甘い世の中じゃないことは誰の目にも明らかです。だからこそ徹底して皆が楽をする方法を考える。

それが結局皆を救い、働く(傍を楽にする)ということになるのだと思います。

 

まじめなだけでは皆がつぶれてしまいます。

勇気を出して楽をしましょう。それこそが仕事です。