誰もいないオフィスでのひらまさと風見さんの会話。地味ながらもそれぞれの優しさと誠実さが出ていて好きなシーンです。
ひらまさ
(車の中で)風見さんの話を聞いてとっても大事なことに気づくことができました。ありがとうございました。
風見
狸寝入りで人の話を聞くなんて悪趣味だな。なーんて。気づいてました。
ひらまさ
気づいててあの話を・・・
風見
僕は性格が悪いんです。
風見さんなりの優しさがここに見えました。みくりとひらまさの関係を進展させるために一肌脱いだ。そんな感じでしょうか。
本当に性格が悪い人は僕は性格が悪いなんて言わないです。
そしてひらまさの素直さ。実生活では、ひねくれたどうしようもない人ばかり見ているので、こういう素直な人、ありがとうを口にする人に触れただけで癒されます。
■みくりの葛藤
街頭販売をしているゆりちゃんに遭遇したみくり。
「はたから見れば私は無職なんだろうか?」
ちょっとした罪悪感に苛まれます。
ここからは個人的な見解になりますが、無職だろうがなんだろうが精神さえ安定していればそれでいいと僕は思います。
みくりは主婦と書くことに後ろめたさを感じているようですが、好きな人と一緒に暮らしていて、精神が安定している。どんな職業に就くよりもそれが素晴らしいことだと僕は思います。
はたから見れば・・・と考えるから病むのではないでしょうか。
社会で活躍していようが、そうでなかろうが、精神が安定している人は偉大です。精神が安定している=幸せだし、そのための人生じゃないですか?
働いてその反動で他人に迷惑をかけまくる人よりも、無職でも精神が安定している人の方が僕は好きですね。
■シングルマザーの代弁者、やっさん
みくりとやっさんの八百屋での会話も無視できないもの。もはやシングルマザー代表となってしまった、やっさん。シングルマザーの様々な苦悩を代弁してくれています。
みくり
今ならわかる主婦のありがたみ。私は今お給料もらえてるから仕事として完璧な家事をやろうと思えてるけど、そうじゃなきゃここまで頑張れるかわからない。みんなすごいよ。働きながらとか、子育てしながらとか。
やっさん
誰も褒めてくれないしね。そんなの当たり前だろって。
全く同感です。当たり前ではないです。
「当たり前」って感謝をなくしてしまう危険な言葉。
そうあって当然という考え方、これは本当に危険な思想です。
外での仕事も大変、子育ても大変。優先順位をつけるからおかしくなる。お互いがそれぞれの仕事や役割に敬意を持って接していれば、問題は起きないのですが現実はかなり厳しいようです。
「オレの方が大変だ」
「お前が我慢しろ」
「お前はいつだって休めるからいいよな」
そんな心ない一言でどれだけの人が傷ついてきたか。
うちのオヤジが典型的昭和おっさんで母に全く敬意と感謝を示さない人です。それをずっと見てきているので、感謝できない人は結婚する資格がないとすら思いますね。
「働いているから何言ってもいいだろ」は今の時代通用しません。
パートナーに優しく出来ないほどの仕事なら辞めるのが正解。そんな状態で続けてもたぶん誰も幸せになりません。
■ゆりちゃんの格好良さと風見さんの男気
ゆりちゃんの作った広告を見ながらの風見さんとの会話。
ゆりちゃん
「与えられた価値に押しつぶされそうな女性たちが、自由になる。自由だからこその美しさ」
説得力のある一言でした。ゆりちゃん、かっこいいね。
このあと少し強がっているゆりちゃんを気遣う風見さんの優しさ。本物の壁ドン。素敵なシーンでした。
■みくり、ひらまさに嫉妬するの巻
エツコ・イチハラモードを経ての不安いっぱいの帰宅。ちょっとした口論のあとのひらまさとみくりそれぞれの告白シーン。
「嫉妬してくれたんですか?」
ひらまさらしい朴訥な感じがとても良かった。
この先は、見ていてこちらが恥ずかしくなるセリフ満載だったので割愛します。
「必要だったのはシステムの再構築じゃない。本当の気持ちを伝え合うことだった」
いつだって大切なことはシンプルですね。