内向型の逆襲

念のため言っておきますが、ブログ名がとてつもなくダサいことは認識していますよ

逃げ恥 第6話【初見感想】男に生まれたならば必ず一度は訪れておくべき場所、伊豆修善寺

第6話、温泉一泊旅行にまつわるエトセトラ。神回でしたね。特に最後の5分の心情描写は日本の恋愛ドラマ史上に残る名シーンではないでしょうか。

 

お節介なおば、ゆりちゃん。

彼女のお節介のおかげで2人の関係は進展します。「2人で新婚旅行に行きなさいよ」と旅行券を渡してくれるおばさんなんて今時存在しないですよね。

 

「夜が心配」という言葉を間違って解釈してしまい、とぐろターボを渡してくれる日野さん。こちらもお節介な人ですが、このとぐろターボを中心に据えてお話は進みます。

ちなみに「とぐろターボ」は架空の栄養ドリンクで実在はしません。それにしてもネーミングのセンスが抜群ですね。

 

舞台は伊豆へ。電車内で流れるのは「そうだ京都行こう」のあの曲。

映画「The Sound Of Music」のサントラ内のMy Favorite Thingが原曲。邦題は私のお気に入り。ジョン・コルトレーンのカバーバージョンが渋い。

 

ホテルに着いてから元彼の回想シーン。

エスプレッソに対する元彼カヲルくんのクレーム。これってカフェではけっこうある話だから採用されているのでしょうか?気になるところです。

 

そしてこの回想シーンの後に、実際に同じホテルにカヲルくんが来ていることが判明。世界狭すぎるよっていうツッコミを入れたくなりますが、この話を面白くしているのはカヲルくんのおかげでもあるので目を瞑ります。

非常識で、チャラい男がいるからこそ、ひらまささんの誠実さが余計に引き立ちます。

 

この第六話ではラストシーンが一番の見所なのですが、それ以外だと間違いなくホテルの仲居です。彼女はこの一回しか出演されていませんが、逃げ恥を語る上では欠かせない重要な役だったと個人的には思います。

 

包んだとぐろターボを渡した後の彼女の表情。熟練の演技です。みくりをささっとスルーして、ひらまさに渡すシーン。あれは可笑しかった。

 

横浜の留守番組。バーでの沼田さん、ゆりちゃん、マスターとの会話にも名言がありました。

 

沼田さん

「仕事の半分は仕方ないで出来ている」

ゆりちゃん

「残りの半分は?」

沼田さん

「帰りたい」

ゆりちゃん

「やる気ゼロじゃない」

沼田さん

「でも仕事だけが人生じゃない。ほどほどの仕事でも食ってけりゃそれでいいじゃない」

 

中略

 

マスター

「人間は悲しいかな。見返りが欲しくなってしまう生き物なんだよ。特に恋愛に関しては」

「自分が相手にかけた愛情と同等の愛情が帰ってこないと人は不安になる。愛情がもらえなくても同等の見返りがあれば納得できることもある。お金だとか、生活の安定だとか。でもね、想いが強いほど次第に耐えられなくなるんだ」

 

「オレばっかり、あたしばっかりが積もりに積もって関係は終わりを迎える」

 

深いですね。そしてこれがこの話の後半のシーンにつながってきます。

 

翌朝、朝食を食べているひらまさとみくりに割り込んでくるカヲルくん。非常識の極み。こういう場合、普通は知り合いを見かけてもスルーです。

 

「男の趣味変わったな」という元彼に対して、「変わったんじゃないよ、気づいただけだよ」と言い返すみくり。

マスターの「想いが強いほど次第に耐えられなくなる」という言葉が意味を持ってきます。

 

最後の電車でのシーン。電車の終点が近づくに連れて、2人の気持ちが近づいていく。その演出がたまらなく良かったです。

 

想いが募ったからこその不安に押しつぶされそうなみくり。

「でも欲しいのは仕方なくなんかじゃなくて・・・私はひらまささんに何を求めているんだろう」

 

不思議な充足感に包まれているひらまさ。

「疲れたけど楽しかったな。彼(カヲルくん)に腹も立たなかった。自分の方がみくりさんを知っていると思ったから。僕は知っている。穏やかな微笑みも、温もりも、優しさも」

この旅が終わって欲しくないという共通の思い。

 

「あと一駅、永遠に着かなければいいのに」

その我慢できない想いが形になって現れる。

 

このラスト5分間は何度見ても見応えがありますね。

 

第6話 温泉一泊旅行にまつわるエトセトラ

第6話 温泉一泊旅行にまつわるエトセトラ

  • 発売日: 2016/11/17
  • メディア: Prime Video