内向型の逆襲

念のため言っておきますが、ブログ名がとてつもなくダサいことは認識していますよ

ドクターくれはがいなければあそこまで感動はしない

アニメワンピースのチョッパー編を見終わった。

何度も見てストーリーはわかっているのだが、毎回同じ場所で感極まる。

 

・初めて自分を認めてくれたヒルルクの優しさに触れチョッパーがパンを食べるシーン

ヒルルク散華のシーン

・自分の不甲斐なさを嘆き、くれはに弟子入りをお願いするシーン

・桜を咲かせるチョッパー旅立ちのシーン

 

漫画だと色がないので桜がわかりづらいが、アニメだと白い雪が徐々にピンクに変わっていくのが幻想的で涙を誘う。

 

設定が秀逸

1つ前の熱帯の島でナミさんが虫に刺されるという小さいことから物語が始まる。

重病にかかった彼女を救うために目的地を変更して、近くの島にたどり着き医者を探す。毎回、繋がりのある設定に感心する。絵を描くだけでも大変なのにここまで緻密なストーリーを創り出す尾田先生の才能と努力に脱帽です。これを書いた頃はまだ二十代後半、それがすごい。真のクリエイターというのは人一倍感受性が強く、それを伝える力がある。

 

雪国、暴君、ヤブ医者、魔女(医者)、トナカイ、断崖絶壁の山、その上にある美しいお城。すべての細かい設定が絡み合いながらその中から感動的なストーリーをいくつも生み出していく。ここでは敵が弱いので戦闘シーンもそんなに派手ではなく、ストーリーに集中して読み進めることが出来るのも個人的にはありがたい。

 

くれはが感動の最大の演出者

優しい医者と純情なトナカイの心温まるストーリーだけでも十分に心を打つのだが、決定打は一見厳しいが実は優しいドクターくれはの存在だ。チョッパー編全てを通じて彼女の「厳しさの中にある真の優しさ」に触れることで人の心が動くのだと思う。人間はギャップに弱い。

 

暴君に医療を全て奪われた国が唯一頼りにしているのがこのドクターくれは。「ツヤツヤの130代」という設定も面白い。彼女には手塚先生のブラックジャックと似たものを感じる。彼も厳しいが、本当は優しい。

アニメだとドクターくれはの声は野沢雅子さんがやっている。ところどころドラゴンボール孫悟空が出てくるがぴったりのはまり役だと思う。

 

このくれはの存在感がこのチョッパー編の肝だ。そしてもうひとりが暴君の部下だったドルトン。彼も感動を演出している重要人物、国を想う気持ちが次のアラバスタ編にもつながってくる。そこの描写も見事です。

 

ドクターくれは最大の金言

いいかい

優しいだけじゃ人は救えないんだ

人を救いたきゃ

それなりの知識と医術を身につけな

腕がなけりゃ

誰一人救えないんだよ

 

 

これ「医術」を「技術」に替えれば全ての人にあてはまると思う。

音楽も、美術も、仕事も、全部同じ。

プロフェッショナルに必要なことが全てここに詰まっている。肝に銘じたい。

 

厳しさを持った優しい人が減っている

社会全体を見ても優しい人が増えているなと思う。優しいだけの人も増えている。厳しいだけの人(周りのことを考えない人)も相変わらず存在する。厳しさの中に優しさを持った人だけが減っている。

 

厳しさと優しさのバランスがこれからは重要だとドクターくれはから教わった。

さてアラバスタ編観ましょうかね。