内向型の逆襲

念のため言っておきますが、ブログ名がとてつもなくダサいことは認識していますよ

家族の仲が悪くて消耗している人々へ

平成最後の夏の終わりにさくらももこさんが亡くなったという悲しい知らせが届いた。

ちびまる子ちゃんにともぞうという気のいいおじいちゃんが出てくるので、さくらももこさんの実際のおじいさんもそうなのかと勝手に想像していたが、実は逆だということを知った。あれは彼女の願望が形になったキャラだった。

まる子はともぞうが大好きだったが、ももこは大嫌いだったようだ。

 

彼女のエッセイの中でも、不仲を公言していてそれに安心、共感した読者も多いようだ。

日本には「家族は仲が良くなければいけない」という強烈な同調圧力があり、多くの人がそれに苦しめられている。さくらももこさんの「家族は仲が悪くてもいいんだよ」という言葉・メッセージに救われるんだろう。

家族関係で悩んでいる人々があまりにも多いことを再確認させられる。

 

僕が今回伝えたいのは、

家族の仲が悪いことは全くネガティブなことではない

本人がどれだけ誠実に生きるかの方がよっぽど重要だ

ということです。

 

少し長くなりますが最後まで読んでくれれば幸いです。

 

家族・親戚の誰かを嫌うのは人として当たり前のこと

僕の場合残念ながら、理想の家族、理想の兄弟、理想の親戚関係とは程遠い。

父親は「ありがとう」「ごめんなさい」を絶対に言わない典型的昭和人間で、ひと言でいうと性格の悪い暗くてひねくれた男だ。自分はその逆になろうと強く思っている。感謝はしているが、尊敬はできない。これが正直な気持ち。

 

僕自身、田舎に帰って約3年ほど祖母の面倒をみたが、さくらももこさんの祖父への気持ちがよくわかる。みたのは面倒ではなくて地獄だった。都会で親族のしがらみがない中で20年自由に暮らしたあとだからなおさらだ。

僕は基本的に「何も考えずに余計な事を口走る人間」が嫌いだ。

 

家族の仲が良いことは絶対にプラスだと思うし、もしそうならラッキーだと思う。素敵な家族を見ると羨ましいなと思う。尊敬する人が両親ならそれは最高なことだろう。

その一方で家族の仲が悪いこと、家族の誰かを嫌いになることを全く悪いことだと思わない。むしろ普通のことだと思う。それはまったく自然な感情で人間とはそういうもの。

もし家族の誰かを嫌うことに罪悪感を感じている人がいるなら、いますぐやめてください。

 

家族間の人間関係で消耗するとすれば、その最大の理由は

「家族は仲良くなければいけない」と思い込むからだろう。

「家族だから仲良くしなさい」と強要するからだろう。

その不要な家族神話から解放された時に、人は幸せへの道を歩き出すと僕は考えるようになった。

 

人が人を嫌うのは自然な感情で、「本人がそういう行動をとれば他人はそう思う」だけのこと。なぜ僕はばあちゃんを嫌ってしまったのだろう、と自分を追い詰めることはもうないでしょう。

 

仲が悪くてもまともに暮らしていける人はたくさんいる

一般的には家族関係が良好であることを全力で勧めてくるので生きづらい世の中だとは思うが、良好でない人もたくさんいるのでどうか安心してほしい。

家族の不仲を公言されている人で僕が今ぱっと思いつくのは女優の山口智子さんと杉本彩さん。詳細は省くが、それぞれ家族に苦労した過去を持つ。

お二方ともに自立した考え方をもっていて、幸せに暮らしているとても素敵な女性だ。家族との対立が彼女たちをさらに強く、美しくしたのだと思う。

歌手の矢沢永吉さんも孤立無援の状況から強烈な意志の力で成り上り、現在の地位まで上り詰めたのは多くの人が知るところだ。

 

家族関係の良し悪しは、人にとってのたった一つの要素でしかないと僕は考えている。

それに縛られ、自分を不幸な世界に閉じ込めるほどの重要な要素だとは思えない。

それよりも大事なことはたくさんあるし、すべきこともたくさんある。

 

家族関係の悪さを自らの力で乗り越えた人は、堂々と清々しく生きている。そして人に優しい。

 

次の時代はシンプルに

仲間、絆、つながり、一見気持ちのいい言葉だが使い方を間違えれば人をどんどん追い詰めていく。古い価値観で押さえつければ人は簡単に不幸になっていく。

皆、しがらみの中で生きるのはイヤなはずなのに、自らしがらみを背負ってしまうのはなぜだろう。不必要な古い価値観にいつまでも縛られているからだ。

 

もし家族の仲が悪ければ、あなたがまともな人間になればいい。

もし親族に嫌いな人がいるならば、あなたがそうならなければいい。

 

そういうシンプルな生き方ができればいいんじゃないかな。

平成の次の時代はそういう時代になってほしいです。

 

 

もものかんづめ (集英社文庫)

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