『Lies of P』なんとかクリアしました。
クリアまでの時間は80時間ほどで、レベルは91でした。
別のゲームが目的で1ヶ月限定でGamePassに課金しましたが、
気がつけばそのゲームを差し置いて遊んでいました。
ハマった一番の理由は敵キャラの造形の良さだと思います。
退廃した美しい街並みと「暴走した操り人形」という組み合わせが僕の嗜好に合っていました。
ただ全体的な難易度は非常に高かった印象を持ちました。
エルデンリングのように過度なレベル上げによるゴリ押し(救済処置)ができなくなっていたのがその原因ではないでしょうか。
ちなみにエルデンリングの時はラスボスと相打ちでしたが、今回はきちんと倒し切りました。
何度も挑戦して敵の動きを見極め、アクションの腕を磨いて、時には数時間かけて一人のボスを倒す。忍耐を強いられるゲームなので、その手の耐性がある人にしかオススメすることはできません。
いわゆる「ソウルライク」や「死にゲー」と呼ばれるジャンルですが、本家フロムソフトウェア以外が開発したゲームの中では、相当の完成度を誇る作品ではないでしょうか。
完成度が高いが故に気になったことが多いのも確かです。
そのあたりを正直に語っていきます。
※本文内では『Lies of P』は全てLPと省略します。
私の個人的解釈でよろしければぜひ最後までお読みください。
もちろん忖度なしの正直度100%の感想です。
A 個人的な感想
A-1 クリアまでの時間とやり込み具合
・クリア時間とゲームのボリューム
クリアまでの時間、約80時間
難易度が高いゲームなので、人によって差がありこの数字は全く当てになりません。
・やり込み度
裏ボス未討伐(つまりBad Endingしか見ていません)
2周目(強くてニューゲーム)は未プレイ
通常武器は全種類獲得
Xbox実績取得率 34/42
鍵 1/5
回想 9/10
レコード 9/10
絵 9/10
手紙 9/10
本 23/25
新聞 5/5
メモ 11/15
資料 4/5
暗号器 5/5
※最大値がわからないので枠の数を分母にしました
・没入度 MAX
探索も楽しくてやめられない。
ボス戦も悔しくてやめられない。
時間を忘れて没頭しました。
A-2 ストレスポイント
どんなゲームにも必ず不満点はあります。
個人的にストレスを感じた点を挙げます。
・翻訳のミスの多さ
日本語のローカライズは悪くないのですが、誤字や脱字が目立ちます。
本家のソウルシリーズは宮崎氏の書いた美しく味のあるテキストを読み込むのも楽しみの一つで、その完成度がいかに高いかを再確認できました。
誤字脱字を浴び続けると没入感が削がれることが身に染みました。
どういう経緯で誤字脱字が生まれるのかはわかりませんが、ゲームの質が非常に高いだけに、余計にもったいなく感じます。
いつも思うのですが、日本語に詳しい現地の人よりも、英語に詳しい日本人に翻訳を依頼した方がクオリティは上がると思います。
アクション主体のゲームなので、そうテキスト量は多くないはず。思い切って校正の専門家に依頼するのも手なのでは。今後DLCや続編の発売も予定されているので、きっちりお金をかけて仕上げてほしい。
・武器の名称の突然の変更
2月15日のアップデートで日本語のテキストの修正が入ったので期待していましたが、武器の名前を変えるというもので、誤字脱字の修正などの根本的な解決は先送りです。
例えば今まで「シティ槍」と呼ばれていたものが、「都市槍」になったりしています。他にも「冷たいレイピア」→「冬のレイピア」への変更も違和感がある。別に冷たいレイピアのままでも十分かっこよくていいの思うのですが・・・
僕は、遊び始めてから10日くらいで名称変更に遭遇しましたが、それでも違和感はありました。発売から半年近く遊んできたプレイヤーは、武器の名前に愛着を感じています。それをこのタイミングでわざわざ変える必要があったのかどうか・・・
変えるのはそこじゃない。
・スキルツリーの操作性の悪さ
P機関(スキルツリー)でクオーツというアイテムを使ってスキルを解放していくのですが、スキルツリーが左上→右上→右下と常に斜めに進んでいく構成になっていて、左を押すのか上を押すのかわからず目的のスキルを選ぶのに苦労します。
世界観やアート性を追求したい気持ちはわかりますが、ここはシンプルにわかりやすさを徹底して欲しかったというのが正直な気持ち。
・強化要素の解放が常にワンテンポ遅い
チャプターを進めるごとに様々な強化要素が解放されていきますが、全てが遅くて「もう少し手前でこのスキルを覚えたかった」という状態が多発します。
武器の強化石の無限購入のタイミングは特に遅さを感じませんでしたが、その分リージョンアームとP機関の強化の遅さが際立っていたように感じます。
例えば、ジャストガードでの敵の硬直は終盤まで解放不可ですが、
そこまでたどり着ける人はそんなスキルが不要なほど上達しています。
2周以上遊ばない人にとってはクリアまでが全てです。
ソウルライクなので難易度は高くていいのですが、その難易度を下げるためのスキルや楽しく遊べるための強化要素をもっと前半に持ってきてほしかった。
・常に強制オートセーブ
これは全てのソウルライクの伝統ですが、ミスをやり直す猶予を残して欲しい。
とあるNPCを間違えて倒してしまいました。敵の多いエリアを探索中でこちらが殺気立っていたのが原因ですが、もうそのサブクエは進行不能です。
PSだったらクラウド保存されているデータを読み込めばやり直すこともできますが、今回はゲームパスでのプレイなのでそれもできません。
今、後悔を抱えながらプレイしています。
せめて間違えて攻撃してもすぐに倒れないよう、もっとHPを上げて欲しかった。
・投擲アイテムが高い
獲得できるエルゴの割に投擲アイテムの値段が異様に高い。
2周目は獲得エルゴ量が大幅に上がるらしいので、それをベースにしているのかもしれません。
・レベルアップ時に足りないエルゴを砕けるシステムがない
レベルを上げる時に「あと100足りない」という状況が発生しますが、そんな時にメニューに戻らずそのままエルゴを砕くシステムがあれば快適だった。
・ボタンの反応が悪い
ボタンの先行入力の判定がシビア?
回復飲ませたはずなのに、回復しないことが多発。
その結果、回復ボタンを連打するハメになります。
つまり自分が押したボタンに対する信頼がないということ。それだと安心して戦えないんですね。
敵が強いのではなく、すべきタイミングで回復しないことによる敗北。
敵の理不尽な強さには耐えられますが、操作周りでの敗北は最高にストレスがたまります。
A-3 快楽ポイント
どんなゲームも快楽がないと続けられません。
個人的快楽ポイントを紹介します
・気持ち良い効果音
敵を破壊する時の効果音が最高に気持ちいい。
これがないとソウルライクにはハマれません。
ある程度の爽快感がないと、難しいゲームは楽しめない。
作り手はよくわかってますね。
・名曲”Feel”の存在感
一番最初に獲得するレコード”Feel”が名曲すぎて、ずっと聴いていられます。
物悲しい雰囲気がホテルの内装ともマッチしていて、一気にこの世界に魅了されました。
他の曲も名曲揃い。
レコードを集めて、拠点の蓄音機で再生するという設定も良かった。
さらにSpotifyやApple Musicなどの各種サブスクにも対応。
ゲームを離れても聴けるのはありがたい。
・圧倒的な世界観
時代や物語の設定が秀逸。グラフィックも美しい。
暗くて救いようのない物語ではなく、哲学的なメッセージも内包されています。
なぜこの世界はこうなってしまったのか?
2周目を遊ぶと、そんな謎解きも楽しめます。
・エルゴがレベルアップ可能な量に達すると色が変わる
ただただ親切。
・猫がいなくなる
武器を強化してくれる女の子ユージェニー。
彼女の飼い猫がすぐ後ろにいるのですが、訪れるたびに居場所が変わっています。
また、人間度の獲得具合で、その時のアクションも変わっているので、さらに癒される。殺伐とした世界だからこそ、拠点で猫を探す楽しみを人は欲するのでしょう。
エルデンリングでも超えられない猫の壁
・武器の無限の組み合わせ
通常武器は柄とブレードに分かれていて、その2つを組み合わせることで、ほぼ無限にカスタマイズが可能。カスタムにアイテムの消費などがないのも良心的。
思い切って盾という概念を無くして、攻撃に振り切ったゲームだからこそ味わえる楽しみです。
ここの道中の攻略はこの武器、このボスはこの組み合わせ。
そんなことを考えるのが楽しい。
何周も遊ぶ人にはたまらない贅沢です。
組み合わせをお気に入りに追加する機能があればもっと良かった。
・ベニーニのなまり
ベニーニの訛りのある英語が癖になる。イタリア訛りの英語かな?
演じた声優さんのレベルの高さを感じました。
A-4 個人的最難関ポイントと最強ボス
最難関ポイント
聖フランジェリコ大聖堂地下 腐食の池
梁の上での敵との対峙に苦戦しました。
やっぱりあった梁の上を歩くステージ。ソウルライクを感じる瞬間なのですが、敵の攻撃が激しすぎないかい?
落下死をケアするだけでも大変なのに、3体の強敵を配置するという嫌らしさ。
おまけに次のショートカットまでが遠い。
投擲物の在庫が切れたあとは、ゴリ押しの接近戦しか残っていなくて苦労しました。
ゲームトータルで一番ストレスを感じたのはここでした。
クリアした後になればいい思い出なのですが、プレイ中はもう・・・
最強ボス 人形の王/ロミオ
おそらくこのゲーム最大の難所。(裏ボスは未プレイ)
まずワープポイントからボス戦まで微妙に距離がある。何度もやり直すので、ここで心が折れかけます。
第一形態がまず強い。
ここをどれだけ無傷で凌げるかが勝利に直結します。
そして尋常でない第二形態の極悪さ。
エルデンリングのマレニアを彷彿とさせる攻撃の速さ。
なぜ倒せたか今でもわかりませんが、多分運が良かっただけでしょう。再戦しても勝つ気が全然しません。
敵の強さだけでなく、ここまでに取得可能な武器と、P機関で開放しているパッシブスキル、強化のための月長石の入手難易度などのバランスが良くなかった気がします。
チャプター4で武器を+3まで強化可能な月長石が無限購入可能。
↓
チャプター7で武器を+6まで強化可能な月長石が無限購入可能。
つまり、ロミオと対戦するチャプター6の時点では、この時点での最高火力(+6)の武器は少ししか作れません。どの武器を強化するのか慎重に選別する必要があり、それが難易度を上げています。
凶悪な強さに対して、その時点での武器の選択肢が少なすぎる。
それが苦戦した原因だと判断しました。
これ以降も凶悪なボスはたくさんいましたが、武器の選択肢が豊富で、ある程度火力のある武器を使えばなんとかなりました。スキルも揃っていて対応可能です。
全武器を強化した状態で挑める2周目のロミオとの戦い方は、制約だらけだった一周目と全然変わってくるのが想像されます。
B ゲームとしての完成度の評価
B-1 操作性とUI
キーコンフィグも充実。
R1ボタンの連打が厳しいのでXボタンに弱攻撃を設定。
その他も自分流にカスタムして、乗り切りました。
ジャンプが「Lスティック押し」に割り当てられていて、遊びやすかった。
ストレスポイントのところにも書きましたが、先行入力の判定に違和感を覚えるシーンが多く、慣れるまで苦労しました。
UIも洗練されているし、海外ゲームにありがちなチープなフォントの使用がなかったのも高評価のポイントです。
画面上に表示されているアイコンなどを非表示にするモードもあるのですが、アイテムを切り替えた瞬間すら表示されなくなっていて、使いにくいというよりもはやアイテム切り替えのわからない縛りプレイです。
楽曲の良さは申し分なし。効果音も爽快感があって気持ち良い。
映像も十分過ぎるほど美しいものでした。もっと良いモニターに買い替えたらまた遊び直したい。
B-3 パフォーマンス
Macを使ってゲームパスのクラウドゲーミング(本体なしのストリーミングのみ)で遊びましたが、ネットの向こう側の次世代機を感じることができるロードの速さでした。
PS4版を買っていたらおそらくこの読み込みの速さは体験できなかったので、ゲームパスで遊んだのは正解でした。
WiFiで繋げるとダメでしたが、有線接続に切り替えてからは、ストリーミングであることを忘れるほど安定しました。
変なバグに遭遇することもなく、終始安定していました。
C 概要とオススメできる人
C-1 やりこみ要素とボリューム
エンディングは3種類用意されていて、1周遊んだだけでは全てを見ることはできません。
トロフィーコンプ(全実績解除)するためには最低でも3周遊ぶ必要があります。
何度も遊びたくなるための仕掛けが上手なので、周回プレイをするのは苦ではありません。
NPCイベントが少なめなのも個人的にはちょうどよかったですね。
ボリュームが多過ぎるとかえってやる気をなくすタイプなので、これくらいのボリュームがちょうどいいです。
私は下手なのでクリアまで80時間かかりましたが、上手な人・探索をしない人だとこの半分もかからないと思います。
C-2 オススメできる人
・ソウルライク/死にゲーが好きな人
・武器のカスタマイズに魅力を感じる人
・爽快感のあるアクションを求めている人
・猫好きな人
C-3 ゲームの概要
Lies of P
発売日 2023年9月19日
パッケージ版 8360円
ダウンロード版 8360円
メーカー NEOWIZ
開発 NEOWIZ
プラットフォーム PS5 / PS4 / XboxX|S / Xbox0ne / PC / Mac
ジャンル 3D探索型アクション/ソウルライク
対象年齢
CERO:D(17歳以上対象)
必要な容量 40GB
D さいごに
エルデンリング、ダークソウル3に続いて、3本目のソウルライクゲームのクリアとなりました。辛かったけど楽しかった。そんな当たり前の感想しか出てこないのがソウルライクの魅力なのでしょう。
ソウルライクをやりたいなら、本家のフロムソフトウェア作品を遊べばいい。
そう盲信していましたが、考え方が変わりました。面白いものは面白いし、本家にはない魅力も十分味わうことができました。
「パクリだ」という批判もあるみたいですが、概念の模倣はパクリではありません。
例えば、CとかAmとかの音楽のコードは、全世界で共有されていまし、同じものを使っても誰も文句はいいません。またギターはギターでしかないし、ピアノもピアノでしかありません。
そこにいちいちオリジナリティを求めていたら、不協和音と変な楽器しか存在しないグロテスクな世界になってしまいます。
もはやギターやピアノレベルで浸透している、「ソウルライク」という制約の中で、いかにオリジナリティを追求するか。今作では見事にそれに成功しています。
だからこそ、80時間遊んでも全然遊び足りない状態になっているのです。
面白いからもっと遊びたい。この衝動は実にシンプルです。
ゲームパスで3月の終わりまで遊べますが、きちんと製品版を買い直そうと思っています。エンディングも全部みたいし、今後のDLCも遊びたい。それには製品版が最適だからです。
また、このメーカーの作品はゲーム界では不遇のMacにも力を入れていて、Steam版はもちろん、App Store版も存在します。せっかく新しいMacを買ったのだから、その性能を活かすためにもまずはこのソフトを買ってみようと計画しています。
ゲームパスの配信期間は1年であることが多いので、2024年9月の終わりで遊べなくなると予想しています。そしてそれと同時にPS Plus Extraに追加の流れが自然です。
サブスクで気軽に遊んでみたら、面白そうだったら買う。
この流れは今後も続きそうです。
また、合わない人には全く合わないゲームなので、サブスクで気軽に遊んでみるのがオススメです。とりあえずチャプター3までを楽しく遊べれば、素養はあると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。